■スペイン本土のスペイン語と中南米でのスペイン語の違い
同じスペイン語でも、スペイン本土のスペイン語と中南米で話されているスペイン語には違いがあります。
たとえば、使われる単語の違い。スペイン本土と中南米では、同じ意味を表すものでも異なる単語が使われているケースがあります。
【使われる単語が異なる名詞の例】
「チケット」→ "billete"(スペイン)/ "boleto"(中南米)
「パソコン」→ "ordenador"(スペイン)/ "computadora"(中南米)
「携帯電話」→ "teléfono móbil"(スペイン)/ "celular"(中南米)
【使われる単語が異なる動詞の例】
「運転する」→ "conducir"(スペイン)/ "manejar"(中南米)
「(タクシーを)拾う」→ "coger"(スペイン)/ "tomar"(中南米)
「恋しく思う」→ "extrañar"(スペイン)/ "echar de menos"(中南米)
ほかにも、例えばスペイン語で「あなた」と言う時には「tú」と「usted」という2種類の表現があり、これらの使い分けにも違いがあります。スペイン本土では、家族や友達、会社の同僚などの親しい関係では「tú」を、初対面の人や目上の人には「usted」を使います。しかし、中南米では家庭内であっても祖父母や両親に対しては「usted」が使われることがあります。
スペイン語翻訳をする際には、スペイン向け(EU系)か、中南米向け(LA系)かによって訳し分けをすることが必要です。翻訳会社アークコミュニケーションズの翻訳サービスは、このようなスペイン語の訳し分けにも適切に対応いたします。翻訳のご依頼時には、用途や利用地域などもあわせてご相談ください。
■スペイン語の文法の特徴
スペイン語の特徴として、動詞の活用の種類が多いことが挙げられます。それぞれの動詞が主語の「1/2/3人称」の区別によって語尾が変化する上に、主語が単数形か複数形かでも語尾変化をします。さらに現在形・過去形・過去完了といった時制による語尾変化もあります。
一方で、動詞が多様な活用形を持っていることで、動詞で表現できる意味合いの幅が広くなり、あえて主語を明示しなくても通じるという利点もあります。
また、スペイン語の名詞と形容詞には「性数一致」という法則があります。これは、名詞の性と単数形/複数形によって名詞の後ろにつく形容詞の語尾が変化するという法則です。さらに名詞の頭につく冠詞も同様に、名詞の性と単数/複数により変化します。
こうしたように単語の変化が多いことは日本人にとっては習得が難しい要素となっていますが、一方でスペイン語は語順が英語と比べて比較的自由であり、S・V・O・Cの順番を入れ替えても意味が通じやすいという特徴もあります。
ほかにもスペイン語独自の特徴として、疑問文や感嘆文では文末に疑問符「?」や感嘆符「!」を置くだけでなく、文頭にも逆さまにした符号(逆疑問符「¿」・逆感嘆符「¡」)を置くというルールがあります。
【例】
スペイン語の疑問文:¿Qué hora es?(今、何時ですか?)
スペイン語の感嘆文:¡Gracias!(ありがとう!)