ドイツ語は英語と同じインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派、西ゲルマン語群に属しており、文法や単語に多くの共通点があります。
例えば、英語では現在完了とよばれる「have+動詞の過去分詞形」の構文がありますが、ドイツ語でも「haben+動詞の過去分詞形」の構文があります。ただし英語とは違い、ドイツ語の場合は動詞の過去分詞形が文の1番最後に置かれます。
このように、文の2番目に来る定動詞(現在完了の場合はhaben等)と文末要素(現在完了の場合は動詞の過去分詞形)で文中要素をはさみこむ構造を「枠構造」といい、ほかにも動詞と目的語、助動詞と本動詞などで見られるドイツ語独自の特徴となっています。
ほかにも、ドイツ語には「格変化」というルールがあります。これは「格」と呼ばれる名詞の役割に応じて冠詞や形容詞が変化するというものです。格には「1格(~は/が)」、「2格(~の)」、「3格(~に)」、「4格(~を)」の4種類があり、それぞれに応じて冠詞や形容詞が変化します。さらに、ドイツ語は名詞が「男性名詞」・「女性名詞」・「中性名詞」の単数形、および複数形の4つに分かれ、それによっても冠詞や形容詞は変化します。
このようにドイツ語の格変化は複雑であり、日本人がドイツ語を学ぶ際に苦戦する要素となっています。
また、ドイツ語では、単語をつなげて新しい造語をつくる「複合名詞」が頻用されるという特徴もあります。ドイツ語の複合名詞は英語などのようにスペースを入れることがないため、つながる単語が増えるにつれて文字数が多くなります。1996年版のギネスブックには、ドイツ語の出版物に登場した単語で最長のものとして「Donaudampfschifffahrtselektrizitätenhauptbetriebswerkbauunterbeamtengesellschaft(ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合)」が掲載されています。