日本では大学で第二外国語として学ぶ人も多いドイツ語。世界でも話者数が比較的多く、特に学術や医学の世界では重要な言語です。そんなドイツ語の特徴をご紹介します。
ドイツ語:学問や医学の世界において重要な言語
ドイツ語は、英語やフランス語、スペイン語のように世界規模で話されている言語ではないものの、話者の数は約1億3千万人と世界で12番目に多く(2022年現在:統計データ提供プラットフォーム「Statista」より)、ヨーロッパに限ればロシア語に次いで2番目に話者数が多い言語です。ドイツ以外にオーストリアやベルギー、スイスやリヒテンシュタインでも公用語に指定されています。
特にドイツ語は、学問や医学の世界において重要な言語であると言えます。例えば「ゼミナール(Seminar)」や「ベクトル(Vektor)」、「メスシリンダー(Messzylinder)」、「アンチテーゼ(Antithese)などの学問的な用語が日本の学校でも使われています。また、医学用語でも「カルテ(Karte)」や「レントゲン(Röntgen)」、「ギプス(Gips)」、「ガーゼ(Gaze)」、「ワクチン(Vakzin)」など、多くのドイツ語由来の言葉が日本でも定着しています。
ほかにも「バームクーヘン(Baumkuchen)」や「コラーゲン(Kollagen)」、「メルヘン(Märchen)」、「アルバイト(Arbeit)」など、日本人の生活にすっかり溶け込んでいるドイツ語が数多くあります。
似ている点の多い英語とドイツ語
ドイツ語は英語などと同じインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派の言語です。ゲルマン語派にはスウェーデン語やデンマーク語、ノルウェー語などもありますが、ドイツ語と英語は同じ西ゲルマン語群に属しており、文法や単語に多くの共通点があります。
例えば、英語では現在完了とよばれる「have+動詞の過去分詞形」の構文がありますが、ドイツ語でも「haben+動詞の過去分詞形」の構文があります。ただし英語とは違い、ドイツ語の場合は動詞の過去分詞形が文の1番最後に置かれます。
またドイツ語では、日常的な場で過去の事柄を話すときには、動詞の過去形ではなく現在完了が使われます。例えば日常会話で「私は家族と会った」と言う場合、英語では過去形が使われますが、ドイツ語では現在完了が使われます。
単語でも、ドイツ語と英語で似ているものが多くあります。ただし発音は異なる場合が多いです。ドイツ語の発音はかなりローマ字読みに近いため、人によっては英語よりも発音しやすいと感じるかもしれません。
日本語 | ドイツ語 | ドイツ語の発音 | 英語 | 英語の発音 |
---|---|---|---|---|
腕 | Arm | アルム | arm | アーム |
終わり | Ende | エンデ | end | エンド |
名前 | Name | ナーメ | name | ネーム |
押す | pressen | プレッセン | press | プレス |
海 | See | ゼー | sea | シー |
野生の | wild | ヴィルト | wild | ワイルド |
意志 | Wille | ヴィレ | will | ウィル |
ドイツ語と英語の異なる点
ここまでドイツ語と英語の類似点をご紹介してきましたが、大きく異なる点もあります。その1つが語順です。ドイツ語の場合は同じ事柄を表す文を、語順を変えて表現することができます。
例えば「私はショッピングモールでパンを1つ買う」とドイツ語で言う場合、
- 私は:ich
- ショッピングモールで:in dem Einkaufszentrum
- パンを1つ:ein Brot
- 買う:kaufen
これら4つの要素から、以下のとおり4つの文を作ることができます。
- Ich kaufe in dem Einkaufszentrum ein Brot.
「私はショッピングモールでパンを1つ買う」 - Ich kaufe ein Brot in dem Einkaufszentrum.
「私はパンを1つショッピングモールで買う」 - In dem Einkaufszentrum kaufe ich ein Brot.
「ショッピングモールで(私は)パンを1つ買う」 - Ein Brot kaufe ich in dem Einkaufszentrum.
「パンを1つ(私は)ショッピングモールで買う」
また、ドイツ語には「格変化」というルールがあります。これは「格」と呼ばれる名詞の役割に応じて冠詞や形容詞が変化するというものです。格には「1格(~は/が)」、「2格(~の)」、「3格(~に)」、「4格(~を)」の4種類があり、それぞれに応じて冠詞や形容詞が変化します。さらに、ドイツ語は名詞が「男性名詞」・「女性名詞」・「中性名詞」の単数形、および複数形の4つに分かれ、それによっても冠詞や形容詞は変化します。
下表は、定冠詞「der/die/das/die」の格変化です。
格 | 男性名詞 例:Vater(父) |
女性名詞 例:Mutter(母) |
中性名詞 例:Kind(子ども) |
複数形 例:Kinder(子どもたち) |
---|---|---|---|---|
1格 | der Vater | die Mutter | das Kind | die Kinder |
2格 | des Vaters | der Mutter | des Kindes | der Kinder |
3格 | dem Vater | der Mutter | dem Kind | den Kindern |
4格 | den Vater | die Mutter | das Kind | die Kinder |
このようにドイツ語の格変化は複雑であり、日本人がドイツ語を学ぶ際に苦戦する要素となっています。
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