日本語にも句読点やカッコの使い方などにさまざまな決まりがあるように、英語にも守るべきスタイルのルールがあります。英語ネイティブから見て自然な文章になるように、翻訳者や英文ライター、編集者はいくつものポイントを押さえながら作業を行います。今回はそれらの中から、英語の引用符の「" "」(ダブルクォーテーション)と「' '」(シングルクォーテーション)の使い方についてご説明しましょう。
英語の引用符の使い方
英語の引用符「" "」(ダブルクォーテーション)や「' '」(シングルクォーテーション)は、文章を引用する場合や、皮肉的な意味で単語を使う場合、書籍の章やアルバムの曲名などを記載する場合などに使います。
日本語では、強調したい言葉をさまざまな種類の括弧で囲うことがありますが、英語では強調のために引用符を使うことはありません。英訳の際に強調を意図して引用符を使ってしまうと、皮肉的な意味にとられてしまう可能性があります。
ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの使い分け
ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの使い分けについては、厳密なルールが定められているわけではありません。しかし、アメリカ英語ではダブルクォーテーションを使い、イギリス英語ではシングルクォーテーションを使うのが一般的、といった違いがあります(ただし、最近はイギリス英語がアメリカ英語の影響を受け、ダブルクォーテーションを使っていることも多くなってきています)。
例)
・アメリカ英語:"Nice to meet you!"
・イギリス英語:'Nice to meet you!'
引用文の中での引用符の使い方
引用符で囲まれた文の中でさらに引用符を使う場合、どのように表記すれば良いか悩ましいところです。日本語の場合は一般的に、「」(かぎかっこ)の中は『』(二重かぎかっこ)を使います。
英語の場合も同様に、引用符の中で引用符を用いる場合は、異なる種類の引用符を使います。アメリカ英語の場合はダブルクォーテーションで囲まれた文中にシングルクォーテーションを、イギリス英語は逆にシングルクォーテーションで囲まれた文中にダブルクォーテーションを用います。
例)
・アメリカ英語:"To say that 'I don't really like this' is the same as saying 'I really don't like this' would be a mistake," said George.
・イギリス英語: 'To say that "I don't really like this" is the same as saying "I really don't like this" would be a mistake', said George.
スマート引用符とストレート引用符とは?
英語の引用符には、曲がった引用符(スマート引用符)と、真っ直ぐな引用符(ストレート引用符)の2種類があります。かつてはスマート引用符のみが存在しましたが、タイプライターが登場した際に、キーの数が限られていたために、左右(引用文の始まりと終わり)の区別を無くしたストレート引用符が生まれたとされています。
手書きに加えてワードソフトやコンピュータのHTMLなど、さまざまなツールで文章が作られるようになった現代では、スマート引用符とストレート引用符はどちらを使っても特に問題ないとされています。
ただし、ひとつのドキュメントの中ではどちらかの引用符に統一することが重要です。細かいことのように思われるかもしれないですが、表記記号が統一されていると文章全体の品質も上がるので、翻訳物チェックの際などにぜひご確認ください。
引用符の使い方まとめ
翻訳会社では、英語の表記ルールに配慮しながら翻訳することで、品質の高い翻訳物を仕上げていきます。お客様が翻訳会社に依頼した翻訳物をチェックされる際には、文章の内容に加え、スタイルのルールを考慮してチェックすることをおすすめいたします。
英文の引用符をチェックする際には、アメリカ英語の場合はダブルクォーテーション、イギリス英語の場合はシングルクォーテーションが用いられているかを確認してみてください。スマート引用符とストレート引用符については、どちらを使用しても問題はありませんが、どちらかに統一されているかをチェックしてみてください。
また、翻訳会社には引用符の使い方を含め、英文のスタイル統一をどのようにして行なっているかを尋ねてみてください。翻訳会社の翻訳品質を確認する方法のひとつとして有効です。
英語翻訳はアークコミュニケーションズにお任せください
アークコミュニケーションズでは、日英翻訳などの際に記号の使い方や数の表記の仕方などといった英文のスタイルを統一するために「The Chicago Manual of Style」をベースに独自のスタイルガイドを策定しています。翻訳者全員がスタイルガイドを順守して翻訳することに加えて、チェック担当者(チェッカー)もスタイルガイドを基準としたチェックを行うことで、高品質な英語翻訳を提供しています。
アークコミュニケーションズの英語翻訳実績
- 通信系会社:「海外法人・グループ企業向け社内報」日英翻訳、英日翻訳、リライト作業、DTP作業、印刷
- 半導体メーカー:「会社案内冊子」英日翻訳、DTP作業、印刷
- ソフトウェア会社:「プレスリリース」英日翻訳
- スポーツ競技団体:「英語のキャッチコピー」日英翻訳
- 製薬会社:「定時株主総会招集ご通知」日英翻訳
- 種苗会社:「IR資料」日英翻訳、英日翻訳
- メディア会社:「TCFD提言に沿った情報開示」日英翻訳、DTP
- 電機メーカー:「就業規則・規程」日英翻訳
- 外資系医療装置メーカー:「売買契約書」英日翻訳
- 官民ファンド:「新規WEBサイト」日英翻訳、ネイティブチェック
- 大学:「英文サイト新規ページ、動画コンテンツ」日英翻訳、字幕翻訳、映像編集
- 大学:「大学案内パンフレット」日英翻訳、デザイン、印刷
- 国内食品会社 :「企業方針発表会(1時間18分)」字幕翻訳(日英)、映像編集作業(黒帯追加) 、焼付作業
- 出版社:「漫画:16タイトル(各20話)」日英翻訳
- 医療機器メーカー:「医療機器関連ソフトウェア マニュアル」英日翻訳
- 製薬メーカー:「GMP監査資料」日英翻訳
日英翻訳、英日翻訳などの英語翻訳にお困りでしたらアークコミュニケーションズにお声がけください。
些細な内容でもご相談いただければ、ご要望に寄り添った適切なソリューションをご提案いたします。
もちろん、英語以外の翻訳にも対応しておりますので、ぜひお問い合わせください。
関連記事
関連サービス
著者情報
株式会社アークコミュニケーションズ「翻訳会社アークのブログ」編集チーム
「翻訳会社アークのブログ」では、翻訳に関するノウハウや豆知識、世界各国の言語や文化などさまざまな記事をお届け!翻訳会社ならではの視点から、みなさまのお役に立つ情報や知っておもしろい話題をお伝えします!
>>アークコミュニケーションズについてはこちら
※当サイト内の文章・画像等を無断で転載・複製・改変等することを禁止いたします※