■インドネシア語の特徴
インドネシア語は、台湾、東南アジア、太平洋の島々、インド洋のマダガスカル島まで分布するオーストロネシア語族に属しています。
この語族には類似性の高い言語が数多く含まれており、インドネシア語は元々、マラッカ海峡を挟む東西周辺地域で使われていた海上交易のための共通語(マレー語の一方言)だったと言われています。そのため、マレー半島周辺で話されるマレー語とは、お互いに意思疎通ができるほど類似しています。
インドネシア語の文字は英語と同じ26文字のアルファベットを用います。独自の文字を使う韓国語やタイ語などと比べれば日本人には馴染みやすく、また発音もローマ字で読めばよい場合が多いため、日本人には学びやすい言語だと言えます。
たとえば、「ありがとうございます」を意味する「Terima kasih」は「トゥリマ カシー」、「ごめんなさい」を意味する「Minta maaf」は「ミンタ マーフ」と発音します。
■インドネシア語の文法の特徴
インドネシア語は、英語や中国語などと同じ「SVO:主語-述語-目的語」の順番で文を組み立てる言語であり、SOV型の日本語とは語順が異なります。
インドネシア語の文法の特徴として、時制による動詞の変化がないことが挙げられます。過去形や未来形などがない代わりに、時を示す単語と合わせて作文することで、時制が分かる仕組みです。
ほかにも、英語などのような名詞の複数形も存在しないことも特徴です。インドネシア語では複数を表す場合、同じ単語を重複させるのが基本です。例えば「人」という意味の「orang」は、「orang-orang 」とすると「人々」になります(ただし、「蝶」を意味する「kupu-kupu」のように、単体(kupu)では使わず重複語のみが使われる単語もあります)。