理性をちょっとだけわきまえた親バカの楽しいサッカー観戦法
March 12, 2019
息子のフットサル大会出場で「親バカ」愛さく裂
今回は「親バカ」の話です。
しかし、英語では「親バカ」に当てはまる適当な表現がありません。だから、文脈によって表現を考える必要があります。
「親バカ(子どもに甘い親の意)」と「バカ親(子どもがなんでも一番と思う親の意)」の中間にあるようなケースを、割とポジティブな意味で「doting parents」と言う場合が多くあります。「子どもに甘い親」という意味なら「they are too easy on their children」ですが、「子どもを甘やかす親」のようにネガティブな意味合いで「they spoil their children」という表現が使われます。
「子どものことをいつも心配して、何でもコントロールしたい親」という意味だと、「overbearing parents」か「over-controlling parents」という単語があります。ちなみに、子どもに極端な期待をもって厳しく接する親や学校などに無理難題を吹っかける親のことを日本語で「モンスターペアレント」と呼びますが、これは実は和製英語で英語圏で日常的に使われる言葉ではないようです。
ではさて、なんで「親バカ」なのか?
息子が小学生になり、地元のフットサル大会に出場するようになったのです。こう言っちゃなんですが、下手なチームほど「親バカ」愛がさく裂します。今までサッカーにまったく興味がなく、ルールすらおぼつかなかったのにもかかわらず、子供が出場する試合は熱狂して見ることができるものです。
そんなお母さん・お父さんのために、楽しく理性ある「親バカ子供サッカー観戦法」を伝授しましょう。
<前夜>持ち物チェック、飲み物、日焼け・虫対策
親バカなら、低学年の子供たちの持ち物チェックをしてあげよう
「ウェアを忘れて試合に出場できなかった」というとても悲しい事件を聞いたことがあります。「サッカーシューズを忘れて調子が出なかった」など、子供の心は折れやすいので、親バカを自認するのなら、持ち物はちゃんとチェックしてあげましょう。
特に、亜熱帯気候になったかとも思われる今日の日本において、飲み物を多めに持っていくことは大事。子供も精神状態が"ハイパー"になっているので、会場への移動中から飲み始め、試合前にすべて飲みほすなどという信じられないことをするものです(実話)。氷もたくさん用意しましょう。朝起きて氷がないことに気づいてももう間に合いませんから(コンビニで手に入りますが)。
子供の持ち物は、コーチから指示されていることがほとんどなので、それに従えば簡単です。盲点は自分の持ち物。コーチは保護者の持ち物まで教えてくれません。
子供の飲み物同様、親の飲み物も大事
子供は飲み物が足りなければ、子供たち同士で譲り合ったりしていますが、大人はそうはいきません。試合で走り回っている息子より、ただ立って見ているだけの親の方がぐっと疲れるのはどういうわけでしょうか? 大きな声で声援を送ったり、悲鳴をあげたりする親たちの喉はとても渇きます。くれぐれも子供の飲み物をとりあげるようなことはなきように(実話)。氷の用意も忘れずに。
日焼対策は万全に
他人の迷惑となる日傘は、そもそも使用を禁止されていることが多い。たとえ禁止されていなくても、使わないことをお勧めします。その代りに、つばの広い帽子を用意しましょう。これなら両手も空きます。肌を焼きたくないのなら、さらに、長袖、長ズボン、サングラスに、手袋。夫婦円満でいたければ、日焼け防止に万全の恰好をしているお母さんたちにカメラを向けるのはやめましょう。
忘れるな、虫対策
子供のサッカーの試合は、地元のグラウンドで行われることが多い。じっと立っているわたしたちのほうが、子供たちより虫に狙われます。虫よけと虫さされの薬、両方あると便利です。
荷物はコンパクトに
大きな荷物を持って応援するのは大変疲れます。身につけなければいけない荷物は最小限に。息子の荷物にそっと忍び込ませるのも手です(実話)。
自分のタオルもほしい
汗をかくということもありますが、砂埃でいろいろなところが汚れますので。
<当日試合前>日焼け止め、開始時間、対戦相手の名前、応援場所
日焼け止めを万全に
ファンデを厚く塗るとさらに効果的です。意外に焼ける足首。サンダルだと足の甲。日焼け防止を万全にするのなら、足元、首筋、手首も忘れずに。
試合時間は間違いのないように
会場に行く時間を間違えることはまずないのですが、お母さんたちと話に夢中になっている間に子供の試合が始まっていた、ということはよくあります。1日に3試合もすると、それがもっと起こりやすくなります。誰も試合開始をアナウンスしてくれるわけではないので、自分で時間管理をしましょう。
対戦相手の名前を覚えておこう(メモしよう)
プロチームの名前なら知っていますが、アマチームの名前はどこも似ていて覚えにくいんです。いったいどこのチームと戦ったのか、誰も正確に知らなかったということもあります(実話)。
どこで応援したらよいのか確認しよう
応援エリアは決まっています。応援し慣れない保護者たちは、子供を追いかけ、ついつい禁止エリアに入りがちです。
誰の近くで応援するのか考えよう
保護者同士で固まって応援すればよいのですが、もしあなたがサッカーのルールをよく知らないのなら、ホイッスルがなるたびに「あれはどうして?」と聞ける人が隣にいると楽しく見ることができます。チームのことをよく知っている保護者の近くにいれば、自分の子供以外のこともよくわかります。監督やコーチの名前だって知りたいですよね。
<試合中>応援!応援!応援!
大声をあげて応援しよう
ビデオを録るのも写真を撮るのももちろんよいのですが、せっかくなら生の観戦を楽しみましょう。声だけでなく、身体も使って応援しましょう!
応援エリアから出ないようにしよう
応援がヒートアップして飛び跳ねていると、どんどん前に出て行って、最後は審判に「この線から出ないように」と注意されることがあります(実話)。
自分の子供がどの子かすぐさま認識できるようにしよう
同じユニフォームに同じような背たけの子が集まると、自分の子供でさえわかりづらいものです。なので、まずは背番号を確認しましょう。わたしのお勧めは、靴で認識すること。靴の色が他の子と違うとわかりやすいし、子供は団子のようにボールに群がるので、自分の子供がボールを蹴ったかどうかも確認できます(「今ゴールを決めたのは誰?」と、どの保護者もわからないことはよくあります)。
他の子供も応援しよう
自分の子だけでなく、チームメイトも応援しましょう。相手のファインプレーには称賛を。
理性的な応援を
一番難しいのがここ。子供は監督やコーチより親の言うことを聞きます。ベンチは見ませんが、親の顔色はずっとうかがっているものです。だから、応援にどういう言葉を発するのかは、その家その家の育て方のポリシーに従うのが良いでしょう。もっとも、親がヒートアップして声を出していると、そんなことまで考えられない場合が多いのですが。
よくあるパターン
・当たり障りのないポジティブワードによる応援:「頑張って~!」「いいぞ~!」
・ピンチでついつい発してしまう悲鳴応援:「きゃ~!」「ダメだ~!」「危ない!」
・具体的な指示応援:「もっと前で守れ!」「右、右!」
・ついつい発する叱り言葉:「バカ!」「何してるんだ!」
特に他人の子供に対する応援は、内容によってはムッとする保護者が隣にいるかもしれないので、気をつけましょう。
<試合後>
子供にねぎらいの言葉をかけよう
その家その家の育て方のポリシーに従って。
関係者へのご挨拶を忘れずに
試合前はどなたが関係者なのかわからないこともありますが、ベンチに座っていた人は紛れもなく関係者です。そして、審判も関係者のことが多いので、顔をちらちらと確かめるのが良いでしょう。
子供からのリクエストはどうしよう?
試合が終わった子供たちからは、さまざまなリクエストが出てきます。「(疲れたから)何か冷たい飲み物買って」から「(勝ったからご褒美に)妖怪ウォッチのメダル買って」のようなものまで。その家その家の育て方のポリシーに従ってご対応を。
自分のサッカー熱を大事にしよう
せっかくサッカーの試合を見たのだから、競技にもうちょっと興味を持ちましょう。次はあなたが、観戦初心者のために解説してあげられると良いですね。サッカーの本を買うのも一つの手です。
最後は、関東大学女子サッカー連盟の理事らしくまとめてみました(笑)。
さて、明日も張り切って応援しよう~!
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