こっそり書き換えたミッションステートメント
February 12, 2019
「Mission」といえば「Impossible」
ドラマや映画の『Mission: Impossible』が世に出てから、「ミッション」といえば「ミッションインポッシブル」を連想する人が多くなりました。つい、これを「不可能なミッション」と訳してしまいそうですが、このタイトルにコロン(:)が入っていることに皆さんはお気づきでしたか?
本来、「mission」と「impossible」を組み合わせて「不可能なミッション」という意味にするのなら、形容詞を前に置いて「impossible mission」とするのが正解。一方、このタイトルのようにコロンの後ろに「Impossible」という形容詞が置かれているのは、これがミッションのコードネームを示しているからです。日本語で言えば、「『インポッシブル』という名のミッション」と言うところでしょうか。ほかの例では、「2018年度の売上目標を◯千万円に設定した」ミッションでは、「Mission: --- Million Yen Sales in FY 2018」となります。
Missionを日本語に翻訳すると、「使命」「任務」などと訳されることが多いのですが、「ミッション」という言葉自体がすでに日本語として市民権をとっているので、最近では英語のまま使われることがほとんど。ただ、映画の『Mission: Impossible』が登場してからは、この2つのワードの結びつきが妙に強くなってしまったことはとても気になるのですが......。
ミッションステートメントは会社のアイデンティティ
アークコミュニケーションズのミッションステートメントは以下のとおりです。
「お客様の思いや本質を、わかりやすく世界に伝える」
ワーディングにこだわるわたしにしては、実に面白くも何ともない表現ですね。でも、ここに落ち着くまでに、さまざまな変更が入っているんです。
一番こだわったこと、それは隣の会社に持っていっても通用するような、どの会社でも使える普遍的なミッションにはしないことでした。つまり、そのミッションを「アイデンティティ」と言えるものにしたいということ。
実は最初、このミッションステートメントを作るのに、こんなに苦労するとは思わなかったのです。というのも、普段わたしたちが口にするキーワードは下記のようにすでに出そろっていたから。
「ビジネス」「顧客」「思い」「本質」「世界」「コミュニケーション」「ソリューション」「伝える」「カタチにする」
Take 1 まずは必要最小限
当初、役員合宿で作成したミッションステートメントは下記の通りでした。
「ビジネスの本質と思いを世界に発信するお手伝い」
皆「これでいい」と思いつつも、「ブラッシュアップしよう」となりました。
Take 2 全部入れたけど長い!
そして出来上がったのがこれ。
「ビジネスの本質や思い。
それをカタチにして
その先のお客様のビジネスや心に響く
コミュニケーションへと導くこと」
伝えたいことが全部入って、すっきり!
しかし、長い!
長いと覚えられないし、使えない。
Take 3 カタチにこだわった結果
そこで、短くしました。
「お客様の思いや本質をカタチにして世界に届けます」
思いや本質は「ビジネス」なのか、「お客様」なのか? これは結構、議論になりました。そして、このミッションステートメントに落ち着き、実は、しばらくこれを使っていました。
使ってはいたのですが......。
当初、わたしたちは「カタチにする」ということにこだわっていました。コンサルティングのみならず、「表現物も提供する」という意味合いを強く出したいと思っていたのです。だから、「カタチ」というワーディングにこだわりました。
しかしある時、急に「カタチ」という言葉が「古臭い」と感じるようになりました(まさに心変わり)。「そもそもカタチって何よ」「どういうカタチにするか言わなければ意味がないじゃない」と思ったのがその理由。
それからは、「どういうカタチにしたいのか」という"副詞探し"が始まり、しばらく混迷しました。最初のころから、「わかりやすい」という単語は出てきていたんです。しかし、もっとかっこよい表現がないかと迷い......。でも、実際にわたしたちがしていること、心がけていることは、まさしく「わかりやすい」ということなんだと。そしてそれは、わたしたちの「本質」を表す言葉でないと意味がありません。
Take 4 たどり着いた先は
そこで、
「お客様の思いや本質を、わかりやすく世界に伝える」
に落ち着きました。
「ミッションステートメントが変わりました」と、わざわざ伝えるべきか?......ということにはちょっと悩みました。しかし、わたしたちにはこだわりがあるけど、他の人にはこだわりがないだろうと推測し、こっそり書き変えて今に至ります(笑)。
お問い合わせ
翻訳サービスについてのお問い合わせはこちら