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国名や地名の漢字表記について解説!由来は何?

国名や地名の漢字表記について解説!由来は何?
2023-11-28 14:00

私たち翻訳会社は「日英翻訳」や「日仏翻訳」といった表記をよく使います。英語を意味する「英」はイギリスの漢字表記「英吉利」から来ていますが、このような国名や地名の漢字表記は何が由来となっているのでしょうか?
今回は、国名や地名の漢字表記の由来について解説します。

国名や地名の漢字表記の由来

中国で生まれた国名や地名の漢字表記

国名や地名の漢字表記は、多くが発音に漢字をあてはめる「音訳」で作られています。
たとえば「イギリス」は「英吉利」、「ドイツ」は「独逸」といったように、漢字を音読みすれば元の国名や地名の発音になる仕組みです。

このように国名や地名を漢字で表記する方法は、中国で生まれたものです。
古くから海外との交易が盛んであった中国では「波斯(ペルシャ)」などの漢字表記が用いられ、それらは中国との交易を通じて日本でもそのまま取り入れられてきました。

1602年にイタリア人カトリック司祭のマテオ・リッチが中国で作成し、その後日本にも伝来した世界地図「坤輿万国全図」には、当時の世界々の国名や地名が漢字で記されており、現代の日本人が読んでもなんとなく伝わるものもあります。

<坤輿万国全図に見られる国名・地名>

漢字表記 読み
以西把你亞 イスハニア
拂郎機 ホルトカル
拂郎察 フランサ
意大里亞 イタリア
莫勒亞 アテナ
亞墨利加 アメリカ
智里 チリ
印度厮富 インテア
亞的伯譲 アヘルシヤン
亞尓黙泥亞 アルメニア

日本独自の漢字表記が作られた理由

16世紀以降、南蛮人が日本を直接訪れるようになり、日本人が直接、外国人の発音を耳にする機会が増えました。それをきっかけに、日本独自の漢字表記が作られるようになったとされています。
その後、江戸時代に移り外国人の来訪が頻繁になるにつれ、多様な漢字表記が生まれることとなりました。

日本語にはひらがなと片仮名があり、本来は国名や地名を漢字で表記する必要はありません。それでもあえて漢字表記が用いられることが多かったのは、「学術的な文章では専門用語を漢字で書きたい」という当時の人々の心理があったとされています。

また、現代でもよく見られる、国名や地名を漢字一文字で表記する方法も、江戸時代の頃から使われていたとされています。その分かりやすい例が「和蘭陀(オランダ)」を意味する「蘭」であり、「蘭学」や「蘭方」などの表記が使われていました。

意訳による漢字表記

国名や地名の漢字表記は多くが音をあてはめた「音訳」ですが、一部「意訳」によるものも古くから存在します。

たとえば「白露西亞」。これは「ベラルーシ」の漢字表記ですが、これはスラブ語で「白」を意味する「bela(ベラ)」と「ロシア」の音訳である「露西亞」を組み合わせたものです。ほかにも「モンテネグロ」の漢字表記である「黒山」は、ラテン語の「Monte:山」と「negro:黒」の意訳となっています。

世界各国の国名の漢字表記と一字表記

現在日本で使われている世界各国の国名の代表的な漢字表記と、一字表記をピックアップしてご紹介します。

<世界各国の国名の漢字表記と一字表記>

国名・地名 国名・地名の漢字表記 一字表記
アメリカ 亜米利加、米利堅
イギリス 英吉利
ドイツ 独逸、独乙
フランス 仏蘭西
イタリア 伊太利、伊太利亜、以太利
スペイン 西班牙 西
ポルトガル 葡萄牙
オランダ 和蘭、和蘭陀、荷蘭、阿蘭陀
チェコ 捷克
ハンガリー 洪牙利、匈牙利
ギリシア 希臘
ポーランド 波蘭、波蘭土
ウクライナ 烏克蘭
ロシア 露西亜、魯西亜
アラビア 亜剌比亜、亜拉毘亜 亜、剌
トルコ 土耳古、土耳其
タイ 泰、泰国
ベトナム 越南
インドネシア 印度尼西亜
インド 印度

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