強力な日本のソフトコンテンツとして世界的に注目が集まるマンガ。グローバル化や携帯端末の発展などにより、この分野での翻訳もまた需要が高まっています。今回はマンガ翻訳のポイントと、マンガ翻訳の歴史やその将来像について紹介していきます。
マンガ翻訳のポイント-ことばと文化とオノマトペ
マンガの翻訳の実情は、その仕事の表向きの華やかさや面白さとは異なっています。まず、マンガの翻訳者になるためには、ターゲットランゲージに精通しており、ネイティブ並の語学力が必要とされます。特に日本のマンガを翻訳する際は、高い語学力に加えて、日本文化特有のジョークや情感を異国の読者が理解できる形にして訳出するなどの文化理解とセンスが求められるのです。
例えば、静寂を表す「しーん」や、物がぶつかった時の「バンッ!」。これらは英語で何というのでしょうか。
こうした物が発する音や声を文字で表す「オノマトペ」と呼ばれる手法は、マンガの中に多く登場します。マンガ翻訳のポイントの代表例として挙げられるのはこうしたオノマトペの翻訳にあるでしょう。しかし、日本語で使われる表現でも、他の言語に置き換えられないオノマトペが多く存在することも事実です。マンガ翻訳者たちはこうした点をどのように克服しているのでしょうか?
マンガ翻訳を変えた「エーリカ語法」とは
ドイツのマンガ翻訳の先駆者であるエーリカ・フクスは、こうした困難を自身の創造性によって解決してきました。アメリカで出版されていたディズニーのコミック『ミッキーマウス』を翻訳していた際、彼女は多くのキャラクターに独自のドイツ名をつけました。例えば、作品に登場するビーグル・ボーイズには、ドイツ語で"戦車荒らし"を意味する『パンツァークナッカー』と命名しています。時には、訳出のため原作から完全に離れて、英語にはないジョークを織り交ぜることもありました。
こうした革新的で想像力豊かな取り組みのなかで生まれたのが、「エーリカ語法」と呼ばれるようになった、訳者がオノマトペを創りだす手法でした。例えば、キャラクターが喜んでいれば、「freu(ドイツ語で喜びの意味)」などの言葉をマンガに追加したのです。こうしてマンガ翻訳は大胆な発想によって進化してきました。
マンガ翻訳の未来
イタリアのマンガ翻訳者シモーナ・スタンザーニ・ピニ氏によれば、いまだに日本のマンガはバイオレンスやエロだけを取りあつかっている低俗なものだという偏見が存在しているため、マンガ翻訳者は肩身の狭い思いをしているといいます。
しかし、マーケットの拡大とともに、マンガ翻訳者はよりメジャーな存在として認知されていくことが予想されるでしょう。特に、電子書籍の発展はマンガ翻訳者にとっての追い風となり、新たなマンガ読者の獲得へとつながります。
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アークコミュニケーションズには、サブカルチャーに造詣の深いネイティブ翻訳者が多数在籍し、質の高い漫画翻訳サービスをお客様に提供します。
ターゲット国の文化などに即した文章となっているか、翻訳文内に当地ならではの意図せぬ禁止語句や差別表現などがないかを確認するカルチャーチェックにも対応します。
アークコミュニケーションズの漫画翻訳の実績
- 印刷会社:「漫画」日英翻訳+DTP 後チェック
- 印刷会社:「漫画」日英翻訳
- 出版社:「漫画:16タイトル(各20話)」日英翻訳
- 出版社:「漫画:27タイトル(試訳)」日英翻訳
- IT会社:「SNSプロモーションマンガ」日英翻訳+DTP
- 広報企画制作会社:「香港向けマンガ広告」日中(広東語)翻訳
- 出版社:「コミック」日英翻訳、日中翻訳、英仏翻訳
- 玩具メーカー:「コミック」日英翻訳、日中翻訳(簡体字・繁体字)、日韓翻訳
- メディカルテクノロジー企業:「漫画」日中翻訳(簡体字・繁体字)、日韓翻訳
- 精密加工会社:「地域PRマンガ」多言語翻訳(日本語→ロシア語・英語・中国語など9言語)
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