グローバル化が進む中、国産のゲームソフトを海外で販売しようとする動きが顕著となってきています。その過程で必要となるのがゲームのローカライズです。しかし、書籍の翻訳と異なり、ゲーム翻訳には独特の難しさがあります。今回はそうしたゲーム翻訳特有の課題について紹介していきます。
ゲーム翻訳の特異性
ゲーム翻訳はマンガや小説よりも高いスキルを必要とされることがあります。その理由としてゲームにはテキストだけでなく動画や音声、プレイ操作が伴うため、単純な訳出に留まらず、さまざまな演出や操作を考慮した対応が必要になるからです。
ゲーム翻訳の成功を阻む文化的なギャップ
ゲーム翻訳者には高い語学力だけでなく、発売地域の文化についての深い造詣が必要です。たとえば、日本ではゲームの決定ボタンがコントローラー上で"○"と表記されるのに対して、海外では"×"となっています。さらに、大人をデフォルメした三頭身のキャラクターが海外では子どもと勘違いされることもあります。日本では当然と思っていることであっても、文化的なギャップに対する理解の欠如によってローカライズが失敗してしまうリスクがあるのです。
ローカライズが直面する予算不足
翻訳者に求められる高いスキルの他に、ゲームのローカライズにおいて直面する問題の一つに予算があります。ゲーム翻訳にかける予算の不足により、ゲーム自体の質が下がってしまうこともあります。ただでさえ、予算が逼迫しがちなゲーム開発において、コストをかけるだけの明確な数字が事前に提示できないのがローカライズなのです。その国の言語にローカライズしたら、どれだけゲームが売れるか。ゲーム業界だけではなく、すべての産業に共通する問題です。
しかし、近年はオンラインゲームなどの台頭により、ローカライズによるユーザーの反応を計測しやすくなってきました。こういった数字の蓄積が、効果的なローカライズが売り上げやユーザーの満足度に通じる説得材料になっていくことでしょう。今後、ゲーム開発におけるローカライズのニーズや価値が高まっていくと予想されます。
まとめ
翻訳者に高い能力を要求するゲーム翻訳。言語能力のみならず、発売地域の文化への深い造詣も求められます。書籍翻訳などと異なり、媒体特有のポイントがあります。そして、その困難さの割に、十分な予算が割かれないことが多く、多くのゲームにおける課題となってきました。しかし、品質の高いローカライズは、ゲームをよりよいものにすることは間違いありません。ゲーム翻訳の価値と有用性が高まっていく今後に注目です。
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