人工知能の技術向上などにより、機械翻訳が身近な存在になってきています。文字を入力すればすぐに翻訳が出てくる機械翻訳はとても便利ですが、気になるのは機械翻訳の「正確性」です。
今回は、人力翻訳と比べながら、機械翻訳の正確性について解説します。
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人工知能の技術向上などにより、機械翻訳が身近な存在になってきています。文字を入力すればすぐに翻訳が出てくる機械翻訳はとても便利ですが、気になるのは機械翻訳の「正確性」です。
今回は、人力翻訳と比べながら、機械翻訳の正確性について解説します。
人工知能の発展により、現在の機械翻訳は進化してきており、今では特別な道具や知識がなくとも、誰もが手軽に機械翻訳を使えるようになっています。動画サイトで海外の動画を見る時には日本語に翻訳された字幕を表示できますし、Webブラウザには外国語で書かれたWebサイトを自動で翻訳してくれる機能が付いています。スマートフォンのアプリを使えば、カメラで映した文章を瞬時に翻訳してくれます。文章全体の内容を理解するといった使い方であれば機械翻訳は十分なレベルに達していますし、人の手による翻訳よりも格段に速いというメリットもあります。
しかし、これだけの進化を遂げた機械翻訳であっても、翻訳の正確性については、まだ人の手による翻訳には及ばないと言わざるを得ません。機械翻訳で訳された文に対して違和感を覚えたり、本来の意味とは明らかに異なるだろう誤訳に気付いたことがあるのではないでしょうか。
機械翻訳が起こすミスには色々なものがあります。中でも固有名詞の誤訳は分かりやすい例でしょう。例えば会社名に入っている「環境」は「kankyo」と訳してほしいのに「environment」とされてしまう、といったことが起きたりします。他にも、多義語を訳す時に最適な翻訳を選べなかったり、文章の細かなニュアンスを適切に読み取れなかったりなど、機械翻訳にはさまざまな弱点があります。
翻訳の速度や手軽さといった面では機械翻訳に敵わない人力翻訳ですが、機械翻訳にはない高度な正確性という強みがあります。これは「文章の背景や使用状況を考慮した言葉遣い」や「言語間の違いを考慮した言い換え」など、人の手の翻訳だからこそできる高度な工夫がいくつもあるためです。
例えば、日本語の文章は主語が無かったり、あいまいであったりすることが多く、機械翻訳では翻訳時に誤った主語を置いてしまうこともあります。しかし人の手による翻訳であれば、明示されていない主語を文脈から読み取り、適切な訳文を作ることができます。
ほかにも、例えば「三日坊主」ということわざを英語に翻訳する場合。機械翻訳では「three-day monk syndrome」と直訳されることがありますが、これでは原文の意図するニュアンスが伝わりません。これも人力翻訳であれば、たとえば「a person with no perseverance」もしくは「someone who gives up quickly」などの、読み手に伝わりやすい工夫された翻訳ができます。
翻訳会社では、翻訳支援ツールと人力翻訳を組み合わせて使うことで、ITと人力それぞれのメリットを活かした翻訳サービスを提供しています。
翻訳支援ツールとは、一度人間が翻訳した良質な翻訳を再利用するためのツールであり、代表的なものとして「TRADOS」や「Memsource」といったソフトウェアがあります。翻訳作業のときに原文と訳文を紐づけてデータベース(翻訳メモリ)に保管し、次回以降の翻訳作業において翻訳メモリ内の訳文を利用する、という使い方をします。過去の人間が訳した訳文を再利用するという点が、機械が翻訳するのとは大きく異なります。
翻訳支援ツールを活用することで、すべてを人力で翻訳するよりも効率的に作業が進められるメリットがあります。また、翻訳を再利用できることで、文章全体での統一感や、過去に作成した翻訳物との統一感を持たせられる効果もあります。特に、定期的に更新・改定を行う文書の翻訳や大量の翻訳などでは、翻訳支援ツールの活用による効果が大きくなります。
アークコミュニケーションズでは、ITツールを駆使した効率的な翻訳プロセスでお客様の過去の翻訳資産を有効活用し、「リーズナブルなコストと高い品質」を実現する翻訳ソリューション「アーク翻訳DX」をご提供しています。
機械翻訳やAI翻訳では品質に不安が残る。でも、翻訳コストを削減したい、納期も短縮したいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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