日本では経済回復の兆しが見られるようになったとはいえ、世界的にはまだまだ好況とは言えません。そして、翻訳・通訳業界を取り巻く環境は、機械翻訳の進歩や通信技術の発展により大きく変化してきています。今後の翻訳・通訳業界はどうなるのでしょうか。アメリカの業界のレポートから探ります。
2022年までの10年間も堅実に成長
米国労働統計局によると、2012年から2022年にかけて翻訳・通訳業界は46%の成長が見込まれています。この理由は、言語は国際化社会におけるコミュニケーションのツールとして必須であり、言語を扱う翻訳・通訳業界が景気の影響を比較的受けにくいためと考えられます。
英語をソース言語として頻繁に翻訳が行われる、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語などの翻訳者の需要は引き続き高いでしょう。また、アラビア語や他の中東の国の言語、中国語、日本語、韓国語、ヒンディー語などのアジアの言語への需要も高いと予想されています。
地域でみると、新しい市場が生まれつつあるアジアやアフリカでの需要が伸びていくとされています。
機械翻訳の進歩はどのように影響するか
インターネットのサービスでは、無料で利用できる機械翻訳の種類が増え、精度も高まってきています。この流れでいくと、翻訳者や通訳者は不要になるのではないかという考え方もありますが、現段階ではその心配はないと言えるでしょう。単語や短文レベルなら機械翻訳で対応できる場合もありますが、ビジネスや専門性の高い分野の場合は、機械翻訳を利用したとしても正確さが十分ではなく、人間が内容を確認することが欠かせないためです。
しかし、機械翻訳は進歩を続けており、現時点でも機械翻訳や翻訳支援ソフトをうまく取り入れれば翻訳作業が効率的に行える場合もあります。機械翻訳と人間による翻訳を状況によって使い分けたり、両方を組み合わせて使ったりするといったように、機械翻訳の有効利用は今後の翻訳業界において重要な要素になるでしょう。
今後の鍵は技術利用と効率化
今後も、インターネットを利用した海外進出やマーケティングが行われ、通信機器、SNSなどのメディアの発展により、翻訳や通訳が必要とされる場面は多様化し、かつ増加すると予想されます。その一方で、機械翻訳を利用したサービスや翻訳・通訳サービスを提供する企業も増え、業界内の競争は激しくなっていくでしょう。
翻訳サービスを利用する側も、費用や翻訳の質に求めるレベルが高くなっていきます。そのなかで生き残っていくためには、正確さとスピードを両立することが重要になるでしょう。機械翻訳や翻訳支援ソフトなどを含めた最新の技術を有効に利用して、正確さを確保しつつ効率化を進めることがポイントになりそうです。
まとめ
世界的な不況、機械翻訳が進歩していくなかでも、翻訳・通訳業界は今後も堅実な成長を続けると予想されています。しかし、ビジネスのあり方や業界を取り巻く環境は急速に変化しており、翻訳・通訳業界も、現状を維持するのではなく、柔軟な進化・対応が求められるでしょう。
最新の技術を有効に利用することで翻訳・通訳作業の効率化が進めば、サービスの利用者側にもコストが低くスピーディーなサービスをもたらすことができます。このようなWin-Winの関係が成り立つ方向が実現されれば、業界の将来は明るいでしょう。
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