翻訳の品質は翻訳者が作業を始める前に 7 割方決まると言っても過言ではありません。その品質を左右する二つ目のルールは、お客様の負担が大きいために、ないがしろにされがちです。しかし、一度実行に移すと何度も使い回しがきくというメリットもありますので、是非ひと手間かけてください。
- そのひと手間とは
- 参考資料を用意する
- 用語集を作る
- スタイルガイドを作る
の三つです。皆様の負担の軽い方から説明いたしましょう。
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翻訳の品質は翻訳者が作業を始める前に 7 割方決まると言っても過言ではありません。その品質を左右する二つ目のルールは、お客様の負担が大きいために、ないがしろにされがちです。しかし、一度実行に移すと何度も使い回しがきくというメリットもありますので、是非ひと手間かけてください。
の三つです。皆様の負担の軽い方から説明いたしましょう。
翻訳者にとって、優れた語学能力を持つことはもちろんですが、未知の事柄を吸収する能力を兼ね備えることも重要です。社内で限られたジャンルの文書を翻訳する社内翻訳者とは違い、フリーランスの翻訳者は異なるお客様から異なる仕事を引き受けます。
翻訳者は 2 割の時間で翻訳し、 8 割の時間で調査・見直しを行うといわれるほど多くの時間を翻訳以外に費やしています。原文に関する参考資料 ― ホームページ、カタログ、書物、同業他社情報など ― を翻訳会社に手渡すことは、品質を上げるだけでなく、納期短縮にも役立ちます。
御社の取締役の東一郎さんが、AzumaさんなのかHigashiさんなのか、盛んに出てくる部署名HKBが何を意味するのか(ちなみに某会社では品質管理部のことだそうです)、なかなか外部の人間には分かりません。そういった固有名詞や社内用語、専門用語をまとめた用語集を作ることは、翻訳の調査の手間を省くだけではなく、訳語のばらつきを抑えるという効果があります。
また社内にいる翻訳者(またはライター)と外部翻訳者との語句の統一もとれますので、ぜひ、用語集を作る手間を惜しまないで下さい。
どうしても作成する時間が取れないのならば、翻訳会社に用語集の作成を依頼することもできます。有料ですが、ほとんどの翻訳会社は引き受けてくれるはずです。
ですます調で訳すのか、である調で訳すのか、どういうときにカタカナや英字を使うのかなど、表記についての決まりごとをスタイルガイドと呼びます。このスタイルガイドにあたるものをお持ちのお客様は少ないのが現状です。ですが、翻訳会社との仕上がりのイメージの共有にも役立ちますので、ぜひお持ちいただきたく思います。
スタイルガイドについてはお客様が一から作る必要はなく、例えば、発注先の翻訳会社が持っているスタイルガイドを利用してもいいと思います。ただし、プレスリリースなどの社内ライティング作業が多いのであれば、独自のスタイルガイドを作ることで、スタイルの統一が図れ、手間をかける価値があります。新聞社や出版社が使っている表記のルールなどを参考に作成されるのがよいでしょう。
翻訳の発注担当者向けに役立つ最新の記事を紹介しております。
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