イタリアサッカーの名門リーグ、セリエAのACミランに鳴り物入りで入団した本田圭佑選手。その入団記者会見において、彼がすべて英語で堂々と返答しているところを記憶している方も多いのではないでしょうか。
一方で、現在は流暢なイタリア語を話す中田英寿選手も、現役中は専属通訳を必要としていました。メジャーリーグで活躍する多くの日本人選手が通訳者に頼っているように、スポーツの現場において通訳者はなくてはならない存在という認識が一般的です。
今回は、そうしたスポーツの現場で選手をサポートするスポーツ通訳者の資質と役割について紹介していきます。
選手と監督の「調整役」としての通訳者
2010年、サッカー日本代表監督にイタリア人監督のザッケローニ氏が就任した際、彼が重要視したのは、「選手との対話」でした。その点で、通訳者の役割はかなり大きなものであったといえるでしょう。
事実、1964年の東京五輪、1968年のメキシコ五輪で日本の躍進を実現させたデットマール・クラマー監督のもとで通訳を務めた岡野俊一郎コーチは、選手と監督との「調整役」として、あえて監督の厳しい叱責を選手達に伝えないこともあったと認めています。
すなわち、スポーツ通訳者はただたんに言葉を置き換えるだけではなく、チームの円滑なコミュニケーションを促す役割も担っているのです。
通訳者と選手-ことばと文化の違いに対する配慮とは
アメリカのロサンゼルス・ドジャースで活躍した黒田博樹投手を通訳者として支えた二村健次氏は「バイリンガルであることと二つの文化に精通しているということは別の問題」であるといい、通訳の際、日本文化独特のあいまいな表現をそのまま訳さないように気をつけているといいます。通訳者というよりは、解釈者という表現がその役割に近く、二つの言語表現の差異を十分に考慮することが求められます。
現地コーディネーターとしてのスポーツ通訳者
二村氏の仕事は野球場の中に留まらず、選手やその家族の生活面でのサポートにも及びます。たとえば、生活用品や食料の買い物を手伝ったり、国際免許の取得、遠征先の和食料理店の情報を仕入れておいたりと多岐にわたります。さながら現地コーディネーターのように、選手がプレーに集中できる環境をつくるために尽力するのです。
まとめ
華やかな舞台で活躍する選手を影ながら支えるスポーツ通訳者に求められる資質と役割について今回は紹介してきました。様々な配慮のもとに、選手と監督のコミュニケーションを円滑にする調整役。そして、ときに選手の現地での生活をもサポートする現地コーディネーターとしての役割。言語能力だけに留まらない解釈力や異文化理解、細やかな気遣いがスポーツ通訳者に必須の資質といえるでしょう。
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