日本のマーケットの国際化および東京証券取引所の市場区分再編成の動きにより、決算資料等のIR関連資料を英文に翻訳して公開する企業が年々増加しています。実際に、東証に上場している企業のうちどのくらいの企業が英文開示を実施しているのでしょうか。今回は、現時点(2021年3月)で東証が公開している2020年末時点のデータから、資料別の英文開示実施状況を解説していきます。
東証上場企業全体の英文開示実施状況
東証に上場している企業(外国会社4社、TOKYO PRO Market41社を除く)3,711社のうち、英文開示を実施している企業の割合は約49%。およそ1,800社が何らかのIR関連資料を英文で開示している計算になります。
市場別に見てみると、実施率が最も高いのは東証第一部で約72%(約2,200社中およそ1,600社)。次はマザーズで約22%(約350社中およそ80社)。第二部およびJASDAQの実施率はともに10%台前半となっています。
株式売買シェアの6~7割を海外投資家が占める東証第一部では、英文開示実施率が飛びぬけて高い状況です。2019年末時点での東証第一部の実施率は約56%(約2,200社中およそ1,200社)であり、この1年間で英文開示の取り組みがさらに広まったことが分かります。
一方で、東証第二部やマザーズ、JASDAQについては、現時点では英文開示実施率があまり高くありませんが「決算短信」「決算説明会資料」「株主総会招集通知」など複数のIR関連資料を、日本語版と同日公開で英文開示している企業もあります。
資料別の英文開示実施状況
最も英文開示が進んでいる資料は「決算短信」です。英文開示を実施している企業およそ1,800社のうち約76%(約1,400社)が「決算短信」を英文開示しています。
「決算短信」の英文開示が多い理由としては、資料のボリュームが比較的小さく、翻訳しやすいことが考えられます。また、決算短信は作成頻度が多い一方毎回同じフォーマットで作成するため、一度翻訳をすると、2回目以降は比較的労力をかけずに翻訳できる点も、英文開示に取り組みやすい理由と言えます。
次いで英文開示が進んでいるのは、「株主総会招集通知」です。英文開示実施企業およそ1,800社のうち約64%(約1,150社)が「株主総会招集通知」を英文開示しています。そのうちの約9割(約1,100社)が東証第一部の上場企業です。
「株主総会招集通知」の英文開示が多いのは、東証のコーポレートガバナンス・コードで招集通知の英文開示が求められていることが理由だと考えられます。
現時点では、IR関連資料の翻訳は、関連資料のすべてを英文開示している企業もあれば、一切手をつけていない企業もあるなど、企業によって実施状況に大きな差があることが分かります。
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