操作のメニューやボタン、メッセージなどを表示して、OSやソフトウエアとユーザーの間で橋渡しの役割をしているのがUI(ユーザーインターフェイス)です。OSやソフトウエアを使いやすいものにするために大きな役割を果たしています。IT分野の翻訳の中で、一般ユーザーが目にする機会がもっとも多いのがUIの翻訳かもしれません。ここでは、UIを翻訳する上でのポイントを紹介していきます。
UIがソフトの印象を決める!?
UIは、いわばソフトウエアの顔のような存在です。PCで作業をすると、"OK"や"いいえ"、"保存"、"編集"などのメッセージやメニューを必ず目にします。しかし、いくらソフトウエアの設計や機能が優れていても、UIが使いにくければその機能を十分に活かすことはできません。結果として、ソフトへの評価は低くなってしまいます。つまり、UIがソフトウエアの印象を決めると言っても過言ではないのです。
たとえば、入力欄が出てきたのに、ここに文字を入力するのか数字を入力するのかわからない。あるいは、メニューやメッセージの意味がわかりづらく、次にどうしたらいいのかわからないといった経験をしたことはありませんか? こういったことが続くと「使いづらい」、「不親切」という印象をそのソフトウエアに持ってしまいます。
UIを翻訳する場合も、このことを肝に命じて取り組む必要があります。たとえUI自体が優れていても、翻訳が適切でなければ、翻訳後のソフトウエアはユーザーにとって使いにくいものになってしまいます。UIの翻訳では、ユーザーが直感的に理解できることを常に考えなくてはなりません。
翻訳するUIはどんな分野のソフトウエア?
一口にUIと言っても、ソフトウエアにはさまざまな分野があります。対象とする人も、一般のユーザーから専門家、開発者までおり、用途もそれぞれ異なります。
翻訳する場合には、どんなソフトウエアであるかを正確に知り、それに合った用語や表現を使用する必要があります。同じ単語でも、分野によっては意味が違う場合があるためです。たとえば"equalize"という単語は、一般的に「均等にする、均一にする」と訳すことが多いですが、音楽関連や画像処理関連では「イコライズ」とカタカナのままにしておかないと、意味がわかりにくくなることがあります。
翻訳の対象となるソフトウエアや資料が配布される場合は情報をつかみやすいのですが、翻訳するテキストだけが配布されることもあります。その場合はテキストの文脈から推測して、同じ分野の知識や常識、関連ソフトウエアなどを可能な限り調べ、適切な表現を探していくことになります。
限られた字数でできるだけわかりやすく
UIに表示されるメッセージやメニューはどれも短い言葉で、長くても半角10文字分ほどです。日本語だと全角5文字分です。短いので簡単なように思えますが、この短いスペースで、誤解のないように意味をわかりやすく伝えるのは案外難しいことです。
特に、テキストのみで翻訳する場合は、そのメッセージがどのような状況でユーザーがどんな操作を行ったときに表示されるのかがわからないことがあります。状況がわからないと、ユーザーにわかりにくい翻訳になる恐れがあります。また、同じメッセージでも、状況によって翻訳を変えなければいけないケースもあるでしょう。この場合も、同じ分野の類似のソフトウエアなどを調べて状況を推測していきます。
まとめ
普段何気なく目にしているUI。あまりにも身近なためにその存在が意識されていないこともありますが、ソフトウエアの印象を決める重要な部分です。短いメッセージで、操作をユーザーにわかりやすく伝えてくれます。しかし、翻訳では、その短さや背景情報の不足のために適切な表現を探すのが難しいことがあります。そんなときでも、常にユーザーの立場で、ユーザーがどんな状況でそのメッセージを見ているかを推測して、わかりやすい表現を心がける必要があります。
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