多くの移民を受け入れているカナダは、多様な人種が存在する"モザイクの国"と呼ばれています。カナダ内でも特に、約100ヶ国からの移民を受け入れているのが、カナダ東部に位置するケベック州です。ケベックでは、"ケベックフレンチ"または"カナディアンフレンチ"と呼ばれるフランス語が使われています。カナディアンフレンチの歴史やその特徴とともに、ケベックでのビジネス展開のポイントを紹介します。
なぜカナダでフランス語?
一般的には、カナダは英語圏というイメージがあります。実際には、世界の各国から数多くの移民を積極的に受け入れているカナダには、様々な国の文化や言語が存在しています。中でも、日本の5倍の大きさのケベック州は、約100ヶ国の移民を受け入れています。1600年代にフランスからケベックへ大量の移民があり、その影響で現在でもケベックではフランス語が公用語として使われています。
ケベックでは、50人以上の従業員がいる会社は"ケベック州フランス語オフィス"に登録する必要があります。登録後、職場にてフランス語が尊重されていると判断されると、フランス語使用許可書が発行されます。会社は、この許可書を取得するために、従業員をフランス語の学習コースに通わせるなどして、フランス語環境を整えます。異国であるカナダへ移り住んだ後も、元の言語を維持し、フランス系カナダ人としてのアイデンティティを持ち続ける、頑なさとプライドを象徴するのが"カナディアンフレンチ"なのです。
カナディアンフレンチの特徴
ヨーロッパで話されているフランス語と、カナダで話されているカナディアンフレンチでは、どれくらいの違いがあるのでしょうか。人によって感じ方も異なりますが、その違いは「アメリカ英語とイギリス英語の違いよりも大きい程度」と表現されることもあります。
カナディアンフレンチの大きな特徴は、古いフランス語の名残りがある言葉であり、ヨーロッパのフランス語よりもフォーマルであるという点が挙げられます。フランスからの移民とともに、カナダへフランス語が伝わった当時に使われていたフランス語がそのまま残っているからです。また、同じフランス語であっても発音に大きな違いがあります。フランス語を母国語としていれば、多少違和感はあってもカナディアンフレンチを理解できるでしょう。一方、外国語としてフランスを習得した人にとっては、カナディアンフレンチは非常に聞き取りづらく、ときには全く別の言語のように感じることもあります。
ケベックでのビジネス展開
カナダの中でも、フランス語をメインの言語として話す人や地域は"フランコフォン"、英語メインは"アングロフォン"と呼ばれます。その両方が存在するケベックでビジネスを展開する場合は、資料や契約書などの書類は全て英語とカナディアンフレンチの両パターンを用意しておきましょう。ケベックにもアングロフォンの会社は存在しますが、カナディアンフレンチの書類も用意することで、ケベックを理解し尊重している姿勢が伝わり、信頼関係につながります。翻訳会社に翻訳を依頼する場合も、使用先がケベックであることを伝え、カナディアンフレンチの翻訳も用意しましょう。
ケベックでは、フランス語の「ありがとう」にあたる"Merci"を「メルスィ」ではなく、あえてカナディアンフレンチ流に「マルスィ」と発音するだけでも、距離感をぐっと縮めるきっかけになります。信頼を得るカギとして、言語を賢く利用したいものですね。
現地の主流言語は事前確認が大切
国内に複数言語が存在してるカナダでは、英語しか通じない地域もあれば、フランス語が主流で英語は敬遠される地域もあります。海外でのビジネス展開においては、現地の言語を事前に確認するようにしましょう。
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