世界中で人気のディズニー映画『アナと雪の女王』(以下『アナ雪』)シリーズ。2023年の2月には『アナと雪の女王3』の制作決定も話題になった本作は世界各国でローカライズされ、日本でもこれまで多くの人が『アナ雪』を観に劇場へ足を運びました。また、主題歌の『Let it go』は原曲だけでなく日本語版も大変な人気で、映画を観ていなくとも歌だけは知っている人も多いです。
今回は、『アナ雪』などの海外映像作品の人気を影で支えている、字幕・吹き替え翻訳(動画翻訳)の特徴やこだわりについてご紹介します。
Close
世界中で人気のディズニー映画『アナと雪の女王』(以下『アナ雪』)シリーズ。2023年の2月には『アナと雪の女王3』の制作決定も話題になった本作は世界各国でローカライズされ、日本でもこれまで多くの人が『アナ雪』を観に劇場へ足を運びました。また、主題歌の『Let it go』は原曲だけでなく日本語版も大変な人気で、映画を観ていなくとも歌だけは知っている人も多いです。
今回は、『アナ雪』などの海外映像作品の人気を影で支えている、字幕・吹き替え翻訳(動画翻訳)の特徴やこだわりについてご紹介します。
『アナ雪』などの海外作品には、外国語の台本があります。それを日本語に翻訳すれば字幕や吹き替え版の台本になりそうですが、実は、単純に翻訳しただけでは使えません。通常の翻訳と、字幕や吹き替えなどの映像翻訳では、翻訳する際に押さえるべきポイントが違うためです。
字幕は表示できる字数に限りがあるため、必要な情報を絞ってできるだけ短く表現することが必要です。さらに目で見てすぐ理解できるように、漢字や熟語を有効に利用することも大切になります。映像からわかるような情報は削ぎ落としてポイントだけを残すため、セリフが長くても字幕は一言だけ、ということもあるのです。
吹き替えでは、耳で聴いてすぐに理解できる言葉で訳す必要があります。字幕のように熟語を多用するとわかりにくいことがあるので、口語的な言葉を選びます。さらに、セリフを話している人物の口の動きに言葉を合わせたり、セリフの時間に合わせた長さに調整したりすることも大切です。
このように、字幕と吹き替えでも意識するポイントは異なるため、同じセリフであっても表現が異なっている部分が多くあります。
『アナ雪』のセリフは字幕、吹き替えとも、とてもシンプルでわかりやすいものになっています。これは幅広い年代の人が楽しめるように、原作でも容易に理解できる英語が使用されていることに加えて、日本語の字幕や吹き替えの翻訳でも上記のような工夫が凝らされているためです。通常の翻訳表現に比べて、観たり聴いたりしたときにすぐに理解できることが重視されていることが分かります。
また、歌の吹き替えでは、メロディやリズムにも合わせる必要があります。『アナ雪』の主題歌『Let it go』では、サビで「Let it go」が2回繰り返される部分の吹き替えが「ありの」「ままの」となっています。英単語が6つのところにうまく1文字ずつあてることで、聴きやすくキャッチーな音感が表現されています。さらに「go」で口の形が「お」になるところに「の」で母音を合わせることで、メロディだけでなく映像においても違和感が少なくなるよう工夫されています。
このように何気なく聴いている吹き替えの歌詞も、分析してみるとプロが熟考した表現であることを読み取れます。
何気なく観たり聴いたりしている映画の字幕や吹き替えには、実は、字数や時間の制限、口の動き、メロディといった様々な要件と翻訳者との格闘があります。いつもは字幕派の人は吹き替え版を、字幕が苦手な吹き替え派は字幕版を観てみると、また違った楽しみが見つかるかもしれません。
『アナ雪』の大ヒットは、作品のイメージを保つための慎重な声優選びやプロモーションのうまさが大きな役割を果たすとともに、字幕や吹き替えの翻訳品質の高さも貢献していると言えます。翻訳を含めたディズニーのローカライズには、学ぶところが大きいのではないでしょうか。
アークコミュニケーションズは、動画・映像や音声の翻訳について多くの実績があります。
※一部の言語につきましては英語への翻訳を介しての作業となります。
動画・映像や音声の翻訳にお困りでしたらアークコミュニケーションズにお声がけください。
些細な内容でもご相談いただければ、ご要望に寄り添った適切なソリューションをご提案いたします。
本サイト(www.arc-c.jp)は、快適にご利用いただくためにクッキー(Cookie)を使用しております。
Cookieの使用に同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してください。
なお本サイトのCookie使用については、「プライバシーポリシー」をご覧ください。