2014年5月末に、マイクロソフト社からインターネット電話サービス「スカイプ」用の翻訳機能の試験版が発表されました。電話での会話が翻訳され、音声と文字で出力される機能です。これにより、異なる言語を話す人とのコミュニケーションがしやすくなりました。
翻訳機能や音声認識機能は技術が格段に向上し、多くの機械翻訳サービスが登場しています。これらはビジネスシーンにおける翻訳やローカライズに、どのような影響を与えるのでしょうか。
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2014年5月末に、マイクロソフト社からインターネット電話サービス「スカイプ」用の翻訳機能の試験版が発表されました。電話での会話が翻訳され、音声と文字で出力される機能です。これにより、異なる言語を話す人とのコミュニケーションがしやすくなりました。
翻訳機能や音声認識機能は技術が格段に向上し、多くの機械翻訳サービスが登場しています。これらはビジネスシーンにおける翻訳やローカライズに、どのような影響を与えるのでしょうか。
今回のスカイプのリアルタイム翻訳機能は、無料電話サービスと組み合わせたという面では見事といえます。国際電話料金の高さと言葉の壁という2つの課題を一気に解決しているからです。翻訳機能自体は以前から研究されており、特に新しいものではありません。
音声認識機能と言えば、iPhoneに搭載されている人工知能「siri」を思い浮かべる人もいるかもしれません。話者の音声を認識し、適切な応答をするソフトウェアです。日本語にも対応しており、日本語を含めた音声認識の技術が進んでいることがわかります。このように、コミュニケーション関連のソフトウェアの品質は、近年飛躍的に高まってきています。
これらの技術革新があり、群雄割拠する機械翻訳サービスの翻訳品質は、単語レベルや短文において年々精度が高くなっています。日常会話程度の単純な文章なら、非常に正確に訳せると考えてよいでしょう。複数のサービスを比較利用することで、かなり的確に原文の意味が理解できます。
同様に、音声認識ソフトウェアを組み合わせたアプリケーションも、日常会話の簡単な通訳であれば十分に実用的に使える品質になっています。例えば、観光目的の海外旅行で外国語が話せなくても、機械翻訳アプリである程度は乗り切れそうです。外国の友人へのメールや手紙なども翻訳できるでしょう。
こうした機械翻訳サービスのレベルが向上していることは喜ばしいことです。外国語が苦手な人も、無料で外国の情報を理解できるようになります。スカイプの翻訳機能を使うことで、外国人と電話するという問題も解消されれば、日常的なニーズは十分に満たされそうです。
しかし、現状では、機械翻訳サービスの利用はあくまで日常会話程度の簡単な会話や短文などに限られるでしょう。言葉が責任を持つビジネスシーンでの利用には、まだ実用には及びません。機械翻訳サービスは、場面や状況を選んで限定して利用し、品質の確認を必ず行うなどの配慮が必要です。
機械翻訳の発達によって、人間が行う通訳や翻訳の価値が下がるのでは......という懸念もありますが、実際は逆と言えるでしょう。プロの通訳や翻訳が必要な場面に、機械翻訳がとってかわるいうのはまだ大分先のことです。むしろ、機械翻訳と対比されて、ビジネスシーンにおけるプロの通訳や翻訳の品質価値はより増していくと考えられます。
スカイプの同時翻訳機能の発表をはじめとして、機械翻訳のレベルは全体的に向上しており、日常レベルでの需要はほぼ満たされるでしょう。一方、ビジネスシーンにおいては、まだ機械翻訳のレベルでは現場のシビアな需要をかなえられません。日常で機械翻訳を利用する機会が増えるほど、ビジネスシーンでのプロフェッショナルによる翻訳や通訳の価値は高まり、その品質の差はよりはっきりとしていくことでしょう。
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