訪日外国人を増やすキャンペーンのビジット・ジャパン事業やクールジャパンなどのおかげもあり、ビジネス以外で日本を訪れる外国人が増えてきています。ビジネスシーンでは通訳者がサポートしてくれることが多いですが、観光で訪れた場合は、自分で何とかしないといけません。しかし、言葉の通じない国で過ごすのは思いのほか大変です。
このため、外国人が多く訪れる観光地などでは、滞在中の外国人をサポートする「コミュニティ通訳」を設置するところが増えてきました。日本語を話せない外国人にとっては、まさに救世主とも言えるコミュニティ通訳の実情に迫ります。
コミュニティ通訳とは?
コミュニティ通訳は、ビジネス通訳とは違い、日本を訪れた外国人に対して、日常生活をはじめとしたあらゆる面をサポートします。たとえば、病気になった、日本の文化を説明してほしい、宗教的に食べられないものがあるなどのニーズから、長期滞在の場合には、役所の手続きや住宅、就労、教育などの問題まで。このように、対応する範囲が非常に広いのが特徴です。
観光地では、その地域の歴史や背景の知識を持ち、宿泊施設や商業施設、交通、病院などについても詳しく知っている必要があります。そのため、地元に住んでおり、外国語がある程度できる人がコミュニティ通訳を担当していることが多いようです。
コミュニティ通訳の重要性
言葉の通じない国で生活するという大変さを考えると、コミュニティ通訳の役割の重要性が理解しやすいのではないでしょうか。たとえば、体調が悪くなって病院に行きたくても、言葉の通じる人がいないと病院がどこにあるのかさえわかりません。医療費がどれくらいかかるのかも不安です。こんなときに、ホスピタリティが豊かで、言葉の通じる通訳がいることはとても心強いものです。
また、トラブルの時以外でも、地元の人と話をしてふれあえるのは、旅行の大きな楽しみの一つです。言葉や文化は違っても、いろいろな話をすることで改めて理解し合えることもあります。こういった意味では、コミュニティ通訳は「日本の顔」としての役割を果たしており、観光客にとっての日本の印象に大きく影響しています。
コミュニティ通訳の問題点
さまざまな活躍の一方で、現在のコミュニティ通訳の活動はボランティアで行われていることが多く、通訳としての質に関する基準がない場合がほとんどです。また、活動中に何かトラブルがあったときの責任の所在がはっきりしないこともあり、サポートを受ける外国人にとっても、通訳にとっても不安な面があることも否めません。
最近では、こういった問題点の解決策として、コミュニティ通訳の質の向上をめざす研修などが行われています。語学力やスキルについて、レベルチェックを行うところも増えています。
今後は、トラブルが発生した時に、誰に指示を仰いでどのように対応するかを明確にすることや、高い専門性が必要な状況での対応方法の確立、プロの通訳との役割分担なども必要になってきます。
まとめ
言葉のわからない国での滞在をサポートするコミュニティ通訳の役割は、とても大きいものです。訪日外国人の増加が見込まれる中、外国人をサポートしたいというホスピタリティの豊かなコミュニティ通訳の活躍の場は今後も広がっていくでしょう。そして、日本を訪れる外国人のためにも、コミュニティ通訳者のためにも、質の高いコミュニティ通訳を支援する体制がこれまで以上に望まれています。
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