A社の海外営業部で営業事務を担当している竹田です。翻訳会社に日本語文書の英訳を依頼したことをキッカケに、出来上がった英文のチェックまで任されてしまいました。翻訳文をチェックできるほど英語の能力に自信は無かったのですが、なんでもやってみなければ分かりません。友人の翻訳チェッカーさんに教えを請いながら、たどたどしく始めた英文チェック初心者も、ここ最近、だいぶさまになってきたようです。
今回は今までと趣向を変えて、英文チェック用のツールに関するお話を聞きました。これが思いのほかしっかりとチェックをサポートしてくれるので、実はちょっとビックリしています。
WORDファイルが多い社内文書
宮本:今回は今までの流れとちょっと変わって、英文チェックをサポートしてくれるツールを紹介しようと思うんだ。竹田さんは普段、英文を扱うアプリケーションって何が多いかな?
竹田:圧倒的にMicrosoftのWORDが多いですね。もともと、いただいた原稿のファイル形式そのままに翻訳会社に出すことが多いのですが、WORDで作っておけば、まず間違いなく誰でも開けますので、やっぱり自然とWORDのファイル(拡張子が「doc」あるいは「docx」)を使うようになっちゃいますね。
宮本:だよね。一般的な会社では、ほとんどの文書はWORDで作られているからね。となると、わざわざ英文チェックのために別のアプリを導入する必要はないんだ。知ってる? WORDが持っているスペルチェック機能って。
竹田:はい、なんとなく知ってます。でも、積極的に使ったことはないかなぁ。
赤い波下線が付くとスペルミスの可能性
宮本:実はもうその機能を使っていたりして......。WORDの文章に赤色や緑色の波下線が付いているのを見たことないかな? 初期設定から特に変えていなければ、たいていこうした表示が出てくるんだけど。
竹田:はい、よく見ます。いつも「何なんだろうな?」と思いながら、思いっきり無視して作業してました(笑)。
宮本:うわ、それはマズいかも! それこそがWORDのスペルチェック機能の判定結果なんだよ。緑色の波下線が付くときは文法間違いの可能性、赤色の波下線が付いている時はスぺルミスの可能性を示しているんだ。だから、緑色はともかく、赤色の波下線が付いた時は気を付けた方がいい。スペルを間違えている可能性があるからね。
竹田:へぇ、そうなんだ......。結構そのまま見過ごしてきた気がする。マズいですね。
宮本:そうだよ、次回からは気を付けて見た方がいい。でも、赤色の波下線が付いたからと言って、その単語のスペルが必ずしも間違っているとは限らないんだ。特殊用語(専門用語・業界用語)や固有名詞など、WORDの辞書に登録されていないものはすべて「スペルミス」として扱われてしまうから。例えば、人の名前でも「Smith」みたいによくある名前は登録されていてスペルミス判定されないんだけど、ちょっと変わった名前(「Smythe」とか「Everly」など)だと、赤い波下線が付いてしまう(辞書のバージョンによってもさまざま)ことがあるんだ。
辞書登録や「無視」でミス判定を解除
竹田:社内文書だと、例えば製品名みたいに何度も出てくる特殊用語ってありますよね。こういう単語が毎回スペルミスで引っかかってしまうと嫌なんですが、防ぐ方法ってないんですか?
宮本:もちろん、あるよ。それがスペルチェック用の辞書登録機能なんだ。WORDのバージョンにもよりけりだけど、ユーザー用の辞書登録機能があるので、それを活用するのがいい。それと、わざわざそうした機能を呼び出さなくても、赤波下線が出てる単語の上で右クリックをすると出てくるメニューで「辞書に追加」することもできる。そうすれば、それ以降、同じ単語では赤波下線は出てこなくなるよ。
竹田:辞書に登録するほどじゃなくて、その原稿限りでスペルチェックに引っかからないようにすることはできないんですか?
宮本:それもできるさ。同じくマウスの右クリックで出てくるメニューで「すべて無視」を選んでやると、それ以降WORDを終了させない限り、その単語に赤い波下線が付かなくなる。
竹田:さすが! 細かいところまで良くできてますね。
宮本:WORDは文書処理の優れたツールだからね。単にテキストエディター(テキストを書くためだけのアプリ)として使うのはもったいなさ過ぎる。これ以外にも、単語の意味を直接調べたり、類義語をリストアップしてくれる機能などもあるから、時間のある時にいろいろ試してみるのがいいと思うよ。
竹田:ありがとうございます! これからはいろんな機能を使ってみたいと思います。