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二度のノーベル賞受賞と研究生活 放射能の名付け親・キュリー夫人

2017-07-04 11:39
二度のノーベル賞受賞と研究生活 放射能の名付け親・キュリー夫人

こんにちは、学生時代は理科の実験が大好きだったナホです。

物理学者・化学者として数々の功績を残したキュリー夫人は生涯を研究に捧げたとされていますが、彼女の私生活についてはあまり知らないという人も多いのではないでしょうか。女性研究者として認められるまでの苦労から研究生活の裏にある恋愛や結婚まで、その素顔に迫ってみました。

貧しさにも負けず勉学に打ち込んだ学生時代

日本では「キュリー夫人」の名で知られるマリ・キュリーは、19世紀後半のポーランドに生まれました。ポーランド語での名前は「マーニャ・スクウォドフスカ」。「マリ」は後に移り住んだパリで使われているフランス語の発音にならったものでした。

マリは幼い頃から聡明で、4歳のときには姉の本を暗記するほど記憶力がよかったと言われています。勤勉でもあった彼女は学校を優秀な成績で卒業し、卒業後は住み込みの家庭教師をしながらさらに勉学に打ち込んだそうです。

24歳のとき、パリに先に来ていた姉に誘われて現地に移住したマリ。名門のパリ大学に入学して物理や化学、数学を学べる環境を手に入れました。 しかし見知らぬ土地で1人暮らしを始めたばかりの彼女には資金的な余裕がなく、食べるのにも事欠く日々が続きました。

友人の助けもあり何とか物理学の学士資格を取得しますが、その後は研究場所の確保に苦労します。マリが当時行っていた磁気の研究には、広い空間が必要だったのです。

ピエールとの出会いと二度のノーベル賞受賞

こうしたマリの悩みを聞いた知人が彼女に紹介したのが、後に夫となるフランス人科学者のピエール・キュリーでした。磁気の研究ですでに功績をあげているピエールなら、有力なアドバイスをくれるのではないかと考えたのです。

マリとピエールは出会ってすぐに惹かれあい、1895年に結婚。マリは人生の伴侶と信頼できる共同研究者とを、一挙に手に入れました。 2人が研究を始めてすぐ着目したのは、ウランがみずから放つ光線でした。この光線については存在が確認されていたものの、その正体や光線が放たれる原理については分からないままだったのです。

マリとピエールは、この光線のもとになるラジウムとポロニウムという2つの物質を発見、光線を「放射線」と名付けました。この功績によって2人はノーベル物理学賞を受賞しました。

長年にわたって続いた研究はときに過酷なものでもあったようで、マリは「Scientist's laboratory life is strife to the whole creation(科学者の実験室の生活は、万物に対する闘争です).」と英語訳される名言を後世に残しています。

ピエールはそれから間もなく交通事故で他界しますが、マリはこうした悲劇にも負けず研究を続け、1911年にはノーベル化学賞を受賞。史上初めての複数回にわたる受賞は、世界中の話題になりました。

マリのパリ移住は失恋のためだった!?

マリがピエールと出会ったパリに出てきたのは、実は失恋による傷心をまぎらわすためでもあったとも言われています。マリは住み込みで家庭教師をしていた先で、一家の長男であったカジュミェシュと恋仲になっていたのです。

後にワルシャワ教育庁の長官にまでなったカジュミェシュは、当時ワルシャワ大学で学ぶ学生でした。彼は貧しいながらも賢く美しいマリに惹かれ、両親に結婚の希望を伝えるまでに惚れ込んでいたと言います。

しかし両親は社会的に身分の違いを理由に、マリとの結婚に猛反対。カジュミェシュはその後もマリをあきらめきれず連絡を取っていましたが、マリは煮え切らない態度に業を煮やし、ついには別れを選んだのだとか。

このときパリに出ていなければ、ピエールとの結婚もさまざまな功績もなかったかもしれませんから、運命を感じずにはいられませんね。

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