円安やクールジャパンなどの影響で、来日する外国人が増加しています。2020年の東京オリンピックに向けて、外国人労働者の受け入れも増えています。これに伴い、体調を崩す外国人や医療観光で来日する外国人に対応するケースも増えていくでしょう。医療分野における、翻訳・通訳の必要性は年々高まっています。
病院での外国人の受け入れの現状
東京の大病院を対象にした調査によると、外国人患者の受け入れに関して約80%の病院が「十分に対応できていない」と回答しています。理由としては、「英語以外の言語に対応できない」「患者とのコミュニケーションが十分でない」「外国人患者の来訪に即座に対応できない」などが挙げられています。
外国人患者に対しては、対応できる言語なら受け入れ、そうでなければ断るという病院が多いようです。アジアから来日する人が増えており、英語以外にも中国語や韓国語の需要が高くなっています。外国人の受け入れが可能な病院の対応は、インターネットや通信機器の発達によって、以前に比べてかなり進んでいます。しかし、理解できる言語によっては医療が受けられないという状況が生まれているのが、現在の大きな問題点です。
取り組みと課題
現在、外国人受け入れのための取り組みとしては、病院の各種書類の多言語化や、多言語に対応した院内表示、人材の配置などが行われています。県の医師会で外国人対応のためのマニュアルを作成したり、院内でよく使用される書類を翻訳してインターネットで公開したりと、医療関係団体が様々な工夫を進めています。
しかし、書類や院内表示の翻訳、外国人に対応できるマニュアル作成を個々の病院で行うのは負担が大きくなってしまいます。病院間で情報や改善点などを共有すれば、各病院の負担を減らし、よりよい対応につなげることができるでしょう。
さらに安心して受診できるように
多言語化を進めるなかで、各国の文化や習慣の違いに配慮することも重要です。国や地域によって文化や習慣が異なり、医療の方法も違うため、外国人が日本で医療を受ける際に、自国との違いのために不安や誤解が生じてしまう場合があります。
例えば、自国では歯の治療はまとめて行うため治療回数が少ないのに、日本では少しずつ複数回に分けて治療するという違いに対して、治療費を多く請求するためではないかと不信感を持ってしまったという例があります。その他にも、診察結果の説明に際し、自国では悪い部分から説明するのに対して、日本では全体を説明するのでわかりにくいといった声もあるようです。
医療を受ける状況では誰もが不安になりやすいため、文化や習慣の違いなどの背景にも配慮したきめ細かい対応が必要です。その上で、翻訳も単に言語の変換にならないように、患者の不安をやわらげることを考えて行う必要があります。
まとめ
言葉が通じないために受診をためらった結果、症状が悪化して命に関わる事態が起こる可能性もあります。そのようなケースを少しでも減らし、日本での滞在を快適なものにするために、医療に関する情報の翻訳は重要です。医療機関や行政、翻訳者、通訳者などがさらに協力して、外国人が躊躇せずに安心して医療を受けられる環境を整えていく必要があるでしょう。
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