戦略とは「捨てる」ことなり
June 18, 2019
でも、捨てるのは辛い......
戦略を考えようと生み出すことに力が入りがちなわたしに、某コンサルタントが「戦略を立てるということは、たくさんある選択肢を、涙を呑んで捨てることなんだよ」とアドバイスしてくれました。なるほど。
モノの整理をしていると、第三者から見れば「そんなの、まず使わないよ」と思うモノも、「もしかしたら使うことがあるかもしれない」となかなか捨てられません。「片付けることとは、捨てること」というのはそのとおりですが、言うは易し、行うは難し。
戦略を考える時もまったく同じで、捨ててしまった選択肢の方がやたら気になってしまうことはありませんか?
ただでさえお客さまの獲得に苦労しているのに、せっかく「欲しい」と言ってくれるお客さまを最初から排除するようなサービスは良くないなぁ......などと思うと、なんでもかんでも取り入れてしまい、結局、何の特徴もないサービスになったりします。
優秀なる戦略家は誰もが、小を切って大を残すのが上手ですものね。
これからは、「集めることより捨てるコンサルティング」の需要の方が高いのは、まさしくそう言うことでしょう。しかしながら人間は、「集める」ことが本能で、「捨てる」ことは本能に逆うことなので、効果は別として、精神的につらいですよね......。"身動きがとれないほど「集めて」も成功する方法"を思いついたら、わたしは救世主になれますか?(少なくとも、自分自身の救世主にはなれるはず!)
面白い方言との一致
英語で「捨てる」ことは「throw away」と言います。フォーマルには「discard」や「dispose of」という言い方があり、さらに口語では「dump」や、イギリス英語で「bin」(「throw something away in a dustbin」の省略)など、いろいろな言い方があります。
「捨てる」と聞いて「abandon」という単語を思い浮かべる人は多いと思いますが、これは物を捨てることに使うのではなく、抽象的な概念や行為を「見捨てる」意味合いで使われます。例えば、「アイディアを諦める」は「abandon an idea」、「地位を捨てる」なら「abandon one's post」、「試験を放棄する」の場合は「abandon an exam」という具合です。
こちらは日本語の話ですが、北海道から東北にかけて「捨てる」ことを「投げる」と言う方言があります。弊社アークコミュニケーションズで一緒に働いている英語ネイティブと話したところ、英語の「throw away」の「away」を取り去れば「throw」(投げる)になるので、この言い方は「捨てる」より覚えやすいと言っていました。
また、関西弁では「捨てる」を「ほかす」と言いますが、これも、もともとは「放下する」から来た言葉という説があります。「放下する」を英語に訳せば「throw away」ですので、これなんかはもうそのまま日本語と英語の言葉の意味が一致するケースです。
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