グローバルな仕事に憧れて翻訳業界に飛び込んだヨッシーです。入社以来、日々の発見と勉強を通して翻訳の奥深さを実感しています。
最近、トリビアのスマホアプリにはまっているのですが、「ウルドゥー語を国語としている国は?」の問いに無回答のまま制限時間を迎えてしまいました。正解が「パキスタン」だとわかっても、なんだかピンとこなくて......。早速、調べてみることにしました。
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グローバルな仕事に憧れて翻訳業界に飛び込んだヨッシーです。入社以来、日々の発見と勉強を通して翻訳の奥深さを実感しています。
最近、トリビアのスマホアプリにはまっているのですが、「ウルドゥー語を国語としている国は?」の問いに無回答のまま制限時間を迎えてしまいました。正解が「パキスタン」だとわかっても、なんだかピンとこなくて......。早速、調べてみることにしました。
ウルドゥー語を学ぶことができる「大東文化大学 国際関係学部」のWebサイトでは、ウルドゥー語は、パキスタンやインドで使われている言語で、パキスタンの国語であり、インドの公用語のひとつでもあるとのことです。
ウルドゥー語の起源は、インドのデリー周辺で話されていたカリーポリー方言で、ヒンディー語の起源もこのカリーポリー方言なのだとか。このカリーポリー方言に、ペルシャ語やアラビア語の語彙を借用して、アラビア文字で表記するようになったのが、ウルドゥー語になるようです。
パキスタンの国語なら、「パキスタン語」と言ってくれたらわかりやすいのにな、と思いながら調べていくと、「ウルドゥー語」が「パキスタン語」とは呼ばれない歴史背景を見つけることができました。イギリスの植民地だったインドは、1947年に、イスラム教徒の多いパキスタンと、ヒンドゥー教徒の多いインドに分かれて独立しました。その時に、ウルドゥー語がパキスタンの国語になったものの、インドに残ったイスラム教徒も公用語としてウルドゥー語を使い続けたため、「パキスタン語」ではなく「ウルドゥー語」と呼ばれるようになったそうです。歴史的、宗教的背景を知って、ピンと来ていなかったところが少しすっきりしました。
ちなみに、ウルドゥー語という言語名は、16世紀頃は「ザバーネ・ウルドゥー・ムアッラーエ・シャージャハーナーバード」と呼ばれていましたが、18世紀にはそれが短縮されて「ウルドゥー(陣営)」という呼び名になったとか。これはもう、言語オタクレベルの知識ですね。
ウルドゥー語情報
外務省のウルドゥー語専門家の芦田さんのインタビュー記事によると、ウルドゥー語の文字には、アラビア文字28文字に、ペルシャ文字4文字、そしてヒンディー語系の発音を表わす文字3文字を加え、全35文字になるとのことです。そして、ウルドゥー語は、アラビア語と同じように、右から左に書かれるそうです。驚いたのは、同じ起源を持つウルドゥー語とヒンディー語は、文字は全く異なるにもかかわらず、文法や語彙が同系のため、会話であれば意思疎通ができるということ。右から左に書くウルドゥー語と左から右に書くヒンディー語で会話が成り立つなんて、なんだか不思議ですね。
また、前出の「大東文化大学 国際関係学部」のWebサイトによると、ウルドゥー語には、ペルシャ語やアラビア語から借用された語彙が多くあるため、ウルドゥー語を学ぶと、自然とそれらの言葉も身に付くということです。ウルドゥー語は、ヒンディー語、ペルシャ語、アラビア語にも通じるものがある、一石四鳥の言語のようです!
「日経ビジネスONLINE」によると、パキスタンは、約1億8000万人という世界で6番目の人口を誇り、生産地としても消費地としても可能性に満ちているとのことです。それに加え、約16億人とも言われるイスラム市場への入り口としても、世界中の企業から注目を集めているとか。そのパキスタンの街を走る車のほとんどが日本製の自動車とバイクだそうで、日本車のシェアは、新車販売台数の95%にもなるそうです。そして、日本車のほかに、パキスタンで知名度が高い日本のモノのひとつが「ドラえもん」とのこと。日本車の話題やドラえもんのお土産は、日本人のパキスタンビジネスにも、上手に利用できるかもしれません。
「アジアの多言語フレーズ集」によると、パキスタン人に「こんにちは」と挨拶する場合、相手がイスラム教徒であれば「アッサラーム・アレイコム」で、ヒンドゥー教徒であれば「ナマステ」になるとのことです。宗教によって挨拶が異なるのは、日本人にはなじみが薄い感覚なので、知識として覚えておいたほうが良さそうですね。
最後に、思わず調べる手が止まってしまった「世界の旅ネタ」によるパキスタン情報をひとつ。パキスタンでは、男性同士が手をつないで歩く姿が見られるそうですが、これは、スキンシップを大切にするパキスタンの人々の深い親愛の表現のひとつなのだとか。知らなければ驚いてしまいますよね。
残念ながら認知度は低いものの、ヒンディー語話者との意思疎通を可能にするだけでなく、ペルシャ語、アラビア語にも通じるというウルドゥー語。インド、パキスタンの人口の多さを考えると、ウルドゥー語はコミュニケーションの幅を大きく広げる、今後活躍するかもしれない言語のようです。日本ではまだあまり知られていませんが、ウルドゥー語のこれからがとても楽しみです!
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