スウェーデンというとあまり日本人には馴染みがなく、福祉が充実した北欧の国といったイメージしかないかもしれません。しかし、スウェーデンのインテリア企業の日本進出で、スウェーデンのインテリアや生活スタイルに興味を持つ人も増えてきました。『長くつ下のピッピ』や『やかまし村の子どもたち』、『ニルスのふしぎな旅』といった子ども達に人気のある物語も、実はスウェーデン生まれです。では、スウェーデン語はどんな言葉なのでしょうか。
スウェーデン語の特徴
スウェーデン語はスウェーデンとフィンランドの一部で、約1000万人に話されている言語です。北ゲルマン語群の一つで、ヴァイキング時代にスカンジナビア地方で共通言語として話されていた古ノルド語が起源となっています。同じように古ノルド語を起源とする言葉にはデンマーク語やノルウェー語があり、スウェーデン語との共通点が多いので、デンマークやノルウェーの人はスウェーデンの人の言葉が理解できます。一方、お隣の国のフィンランドでは、まったく起源が異なる言葉が話されています。
英語やドイツ語、オランド語と同じ西ゲルマン語とゲルマン語派を形成しています。英語とは単語レベルや文法レベルの共通点があり、英語が理解できれば比較的学びやすい言語と言えます。
スウェーデン語の文字と発音
スウェーデン語の文字は、ラテン式のアルファベット26文字に3文字を加えた29文字です。単語は、ドイツ語やフランス語、英語に由来するものが多いですが、綴りはスウェーデン語式に変わっています。たとえば、英語のcat、book、footは、スウェーデン語では、katt、bok、fotとなっており、かなり似ていることがわかります。
スウェーデン語は、英語と比べて綴りと発音の関係が比較的はっきりしているので、基本的には文字通り発音すれば通じます。母音は9つあり、硬母音4つと軟母音5つに分けられます。硬母音は舌の後方で発音され、軟母音は前方でされます。短母音、長母音があるのは英語と同じです。
少し難しいイメージですが、「おはよう」がgod morgon(発音は「グモッロン」)、「こんにちは」がgod dag(発音は「グダーグ」)とわかると、英語やドイツ語と近い印象で親しみが感じられます。
スウェーデン語と英語の関係
『やかまし村の子どもたち』や『長くつ下のピッピ』に出てくる子ども達は、質素ながらも季節を楽しみながらイキイキと暮らしています。作品が書かれた当時と現在とではかなり時代が異なりますが、一人一人が大切にされ、季節や自然を楽しみながら暮らしているのは変わりがないようです。
その一方で、移民を広く受け入れ、企業のグローバル化が進むスウェーデンでは、国際言語としての英語がスウェーデン語よりも頻繁に使われるようになりました。これを受け、2009年には新しい言語法が制定されました。スウェーデン語を主要語として位置づけ、公的機関や教育機関ではスウェーデン語を使用するようにと定められたのです。
しかし、他の言語の使用を排他的に否定しているわけではありません。少数民族の言語は保護されており、スウェーデン語を母国語としない人々が自分の母国語を学ぶ機会も保証されています。また、スウェーデンの手話も一つの言語として認められており、耳の不自由な人やその家族は手話を学習する機会が与えられています。
グローバル化の中で、英語の台頭という難しい状況に直面しながらも、たんにスウェーデン語の使用を強制したり、外国語の使用を禁じたりするのではなく、他の言語にも対等な地位を認めているのは、一人一人を大切にするスウェーデンらしい選択と言えます。
まとめ
英語やドイツ語と同じ語派に属しているスウェーデン語は、英語やドイツ語を学んでいれば、比較的習得しやすい言語です。発音は文字とほぼ一致しており、語形変化はドイツ語ほど多くないので、新たに学びやすい言語といえます。
高福祉国としてよく話題になるスウェーデンですが、移民の受け入れに寛容で、企業のグローバル化が非常に進んでいるという面も持ちあわせています。多くのスウェーデン人が英語を流暢に話せるということは国際ビジネスにおいて利点となりますが、英語の台頭でスウェーデン語の地位が危ぶまれています。そんな中でも、少数民族や移民の母国語を大切にしており、母国語の学習は外国語としてのスウェーデン語の学習に欠かせないという考え方を貫いているのです。
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