アラビア語は、アラビア半島やその周辺およびサハラ砂漠以北のアフリカ北部を中心に、20以上の国や地域で話されている言語です。6つある国際連合の公用語の一つにも指定されており、ネイティブスピーカーの数は世界で2億7,000万人を超えます。
日本人にとってなじみの薄い言語ですが、実は「キャンディ」「マッサージ」「コットン」などはアラビア語が英語になり、外来語として日本でも使われるようになった言葉です。
なお、アラビア語といえば中近東のイメージが強いかと思いますが、すべての中近東諸国がアラビア語を使っているわけではありませんので、注意が必要です。
アラビア語の基本的な言葉
مرحبًا |
こんにちは |
شكرًا جزيل |
ありがとうございます |
عفوا |
どういたしまして |
لنلتقي لاحقا |
また会いましょう |
كيف حالك؟ |
お元気ですか? |
■アラビア語の文字
アラビア語のアルファベットは全部で28文字あります。語頭・語中・語尾と、配置される位置に応じて微小な変化をするため、日本人にはかなり難解に感じるでしょう。
また、アラビア語は、昔の日本語と同様に右から左に書く言語です。文字同士を筆記体のように続けて書くため文節の見極めが難しく、このこともアラビア語の難解さの要因になっています。
アラビア語に対応していないソフトなどを使用すると、文字がバラバラになったり左から右に表示されたりすることがあります。そのためアラビア語翻訳やレイアウト調整の際には、アラビア語の特徴を考慮した作業が必要です。
■フスハー(文語)とアーンミーヤ(口語)
アラビア語は、文語と口語が異なるという特徴があります。「フスハー」と呼ばれる文語は、イスラム教の聖典「クルアーン(コーラン)」に用いられているため、必然的にフスハーがアラブ諸国の共通語として、公式の場や新聞、ニュース番組などで使われています。
一方のアーンミーヤ(口語)は日常会話で用いられる方言であり、国や地域によってかなりの違いが見られます。例えば、シリアやヨルダンで話されるシャーム方言は比較的フスハーに近いですが、アルジェリアやモロッコなど西アフリカで話されるマグレブ方言は、他の地域のアラビア語話者にとっても難解とされています。