ギリシア語は3,000年の歴史がある言語です。この言葉が属するインド・ヨーロッパ語族ヘレニック語派の中で、現在でも使われているほかの言語はありません。古代、地中海世界の共通語として使われていて、その後の西洋文化やインド・ヨーロッパ言語、専門用語などに大きな影響を与えています。英単語の中の約12%はギリシア語を語源にしていると言われています。「ヨーロッパ」「デモクラシー」「コスモス」などがそうです。
現在のギリシア語は「現代ギリシア語」と呼ばれ、ギリシア共和国とキプロス共和国の公用語になっています。世界にスピーカーは約150万人います。欧州連合の公用語の中で一番古い言語です。ギリシア文字は、フェニキア文字を使っていた民族との貿易をきっかけに、紀元前10世紀にギリシアでつくられ、ラテン文字とキリル文字の創造に大きな影響を与えました。今でもギリシア文字は、数学と理学の世界で使われています。句読法はラテン文字と違い、疑問符の代わりにセミコロン「;」が使われます。
ギリシア語の大きな特徴はアクセントにあります。アクセントの付け方によって別の意味になる言葉があるのです。「πότε(いつ)」という言葉の語頭にあるアクセントを語尾に変えると「ποτέ(一度もない)」という意味になります。こうしたアクセントは、ギリシア語を勉強する上で注意が必要です。