チェコ語は世界でおよそ110万人のスピーカーに使われている言語です。インド・ヨーロッパ語族の西スラヴ語群に属します。文法的には他のスラヴ系の言語と似ていて、語尾変化が多く、名詞が男性/女性/中性に分かれます。たどってきた歴史と言語学的に一番近いスロバキア語とは相互に理解可能で、チェコ人とスロバキア人の双方が母国語で話しても、ほとんど理解できるといいます。そのため、海外の映画やゲームなどはチェコ語とスロバキア語の間でわざわざ別の訳を作らず、チェコ語のバージョンをスロバキアでそのまま公開するケースも多く見られます。
チェコ語の珍しい特徴の一つは、母音が一つもない言葉があることです。たとえば、「vlk(狼)」や「čtvrt(四半分)」などがそうです。チェコ語の有名な言葉遊び「Vlk zmrzl, zhltl hrst zrn(凍った狼が一掴みの穀物を飲み込む)」には、母音が一つもありません。
チェコ語起源で世界によく知られている言葉には「ロボット」があります。初めてこの言葉が使われたのは、小説家カレル・チャペックのSF『R.U.R.』です。この造語のもとになったのは、「robota(強制労働)」という言葉だそうです。