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対談記事
2023/02/06

世界をリードするデジタルインフラ企業のエクイニクスに聞く

  • 翻訳・通訳

世界をリードするデジタルインフラ企業のエクイニクスに聞く

エクイニクス・ジャパン株式会社は、デジタルインフラ企業の日本支社です。お客様数は1万社を超え、79四半期連続増収と20年にもわたり持続的に成長し続けている大企業です。AWS(アマゾンウェブサービス)やMicrosoftのAzure、Google Cloudなど世界を代表するクラウドサービスやプロバイダーのほとんどがエクイニクスのデジタルインフラ上にあります。これは、世界で最も安全かつハイパフォーマンスにお客様同士のインターネットサービスを接続できる、革新的な環境を提供しているからです。さらに、業界でのグローバルリーダーとして、サステナビリティにも力を入れ、サステナビリティ投資や社員によるボランティア活動も盛んに進めています。

エクイニクス・ジャパンでプロダクトマーケティングを担当している荒井様に、グローバルで最先端の技術を展開する同社のさまざまな取り組みについてお聞きしました。

対談,アークコミュニケーションズ,エクイニクス・ジャパン株式会社
プロフィール
荒井 聖道  エクイニクス・ジャパン株式会社 プロダクトマーケティング マネージャー
大里 真理子 株式会社アークコミュニケーションズ 代表取締役
馬場 浩昭  株式会社アークコミュニケーションズ 翻訳事業部長
伊藤 瑞恵  株式会社アークコミュニケーションズ 翻訳担当プロジェクトマネージャー
小川 雅史  株式会社アークコミュニケーションズ 翻訳事業部営業

常識を覆すデータセンター事業

大里:はじめに、エクイニクス・ジャパンについて簡単にご説明いただけますか?

荒井様:エクイニクスは、アマゾンやマイクロソフト、Googleなど世界の名だたるデジタル企業のほとんどが利用するデジタルインフラを提供している会社です。米雑誌の『Fortune』が選ぶ全米上位500社の「Fortune 500」や世界上位2000社の「Global 2000」それぞれ半数以上、および1/3以上のお客様がエクイニクスを選択しています。

エクイニクスは、競合するネットワークと「インターネットエクスチェンジ(IX)」が接続し、データトラフィックを共有できる中立的な場所として、1998年に設立されたのが始まりです。2002年には、日本にも進出しました。IXは一般の方にはあまりなじみのない言葉かもしれません。インターネットサービスプロバイダーやデータセンターなど外部と大量なデータをやりとりする事業者のネットワークを相互接続する施設で、インターネットを安全に高速で大量に使うためになくてはならないサービスです。創業当時、海外でインターネットが爆発的に拡大するなか、データや通信経路を恣意的に変更されてしまう問題が指摘されており、それを防ぐために「中立で独立したIXを提供するデータセンター」が必要という声があがりました。それに応えたのがエクイニクスです。このため、社名(EQUINIX)は「イコーリティ(Equality):平等」、「ニュートラリティ(Neutrality):中立」、「インターネットエクスチェンジ(Internet eXchange)」の組み合わせでつけられています。

大里:以前、お話をうかがったときに、日本企業のデータセンターはセキュリティ上、できるだけ場所を隠すのに対し、御社はそこをオープンにしていると聞いて、とても興味深く感じました。なぜ、御社はデータセンターを地方に置かず大都市に置くのでしょうか?

荒井様:回線の距離によって発生する光通信の遅延が、技術の進歩で問題になってきているため、より高速を目指す接続とレスポンス性の改善のために、地方にデータセンターを置かずにお客様と物理的な距離が近い大都市に置いています。データセンターの場所を隠すのは、物理的な襲撃のリスクを考えてのことでしょうが、エクイニクスは、複数のデータセンターを有機的に結合させることで、万が一の故障時の回復力(レジリエンシー)を確保しています。このような対策を練れば、場所をオープンにすることで得られるメリット――例えば、地域住民から得られる信頼やサポート――のほうが大きいと考えています。

馬場:データセンターを実際に利用開始できるまでのリードタイム短縮のために、きめ細かい工夫もなさっているそうですね。

荒井様:はい、そうです。エクイニクスでは、たとえば複雑な契約書にサインをする必要はなく、ポータル経由で必要項目を入力すれば簡単に発注でき、設定も十数分で終わるので、お客様の手間が軽減できます。しかし、多くのネットワークを管理する方にとっては、それでも負荷がかかるということで、設定のための一連のプロセスをコード化(IaC:Infrastructure as Code)できるようにしてあります。IaCなら1分もかからずに設定でき、かつログも同時に残るので、すごく便利です。

馬場:お客様同士のコラボレーションにも力を入れているとお聞きしました。

荒井様:はい。エクイニクスはお客様同士をつなげ、お客様のビジネスがエクイニクスのプラットフォーム上でビジネスを最大化できるよう促しています。つまり、お客様を相互に連携・共存・繁栄する一つのビジネス環境を構築するエコシステムの一員と考え、お客様の間をつなげる「Equinix Marketplace」を提供しています。単にエクイニクスが保有しているソリューションの販売の場とするのではなく、エクイニクスを利用している企業が互いに簡単に取り引きできる環境を提供しているのです。

海外展開を容易にするサービス

馬場:日本企業が海外プロジェクトを展開する際には、革新的なエクイニクスのサービスを利用すると大きなメリットがあると聞きました。

荒井様:わたしがこの会社が革新的だと思うのは、常に業界初をやるからです。データセンターの場所を世界各国に広げていくにもかかわらず、データセンターがなくても良いサービスを作っていくようなところです。例えば、ドイツで大規模な展示会を開きたいので、一時的でいいから早急にデジタルインフラサービスを必要とするときがありますよね。エクイニクスの「Network Edge」や「Equinix Metal®」というサービスならば、データセンターの契約は不要ですが、あたかもデータセンターが存在するようにIT機器を設置・構築できます。ソフトウエアが入っていないコンピューターや通信機器などをわずか10分程度で設定でき、利用を開始できます。また利用時間をデジタルインフラストラクチャサービスでは1時間や1日単位で決めることもできます。

馬場:企業がグローバルに展開するときのスピードが非常に早く、利便性も高いんですね。

荒井様:はい。エクイニクスのお客様は、グローバル展開をされているお客様が非常に多く、海外を含めてエクイニクスと一緒に多くの都市に展開するお客様は89%以上*1です。エクイニクスのサービスは非常に便利で、本社に1人担当者がいれば、エクイニクスの世界中のデータセンターやサービスをすべて扱えます。

*1:2022年第3四半期の経常収益から算出

アジア市場への展開を期待

大里:プロダクトマーケティングのお立場から感じられている課題意識は何かありますでしょうか?

荒井様:もう少しアジアに進出しなくてはいけないという認識はあります。このあいだ、インドネシアやマレーシアへのデータセンター初進出について発表することができました。アジアには、成長率が著しく高い国や都市圏がまだあり、これから投資していく余地は大きいと感じています。日本では、東京で15番目のデータセンターを先日発表させていただきました。

大里:外資系の会社だと、全グループ会社において最善の事例(ベストプラクティス)をグローバルに展開するマーケティングが主体のイメージがありますが、御社の翻訳はどうされているのでしょうか?

荒井様:当時ベストだったものが、半年後にはベストでなくなっているかもしれないので、戦略は常に変化しています。また、フォーマットだけでなく、マーケティングコンテンツ全体が変わるので、その都度、翻訳し直す必要があり、大変な労力を要します。例えば、30万字程度の業務マニュアルを日常的にコツコツと作っていても、それが簡単に新しいものに置き換わってしまうことがあります。社内のWebポータルも同様です。

伊藤:そうまでして新しく変化したい本社の意図は何なのでしょうか?

荒井様:やはり、お客様がわかりやすく、そして便利になるからでしょうね。たとえばWebサイトを見ると、5年前には多言語対応はほとんど考えられていませんでした。設定してあったのは英語と、スペイン語、日本語などの主要言語のみでした。その後、ブラジルの会社を買収したため、ポルトガル語を追加し、さらにローカライズする必要がありました。現在では、約30の外国語サイトがあり、プラットフォームを切り替えてまで対応しています。

世界をリードするデジタルインフラ企業のエクイニクスに聞く

翻訳会社に自社専任担当者がいるこころ強さ

大里:本社から提供されるコンテンツを翻訳する際に、翻訳会社に求めていることはなんですか?

荒井様:ドキュメントの翻訳時にしっかりとした担当者がつくところでしょうか。担当者が固定され、チェックまでやってくれるのはお客様にとって大変ありがたい話だと思います。また、翻訳結果の正確性や揺れを考えると、弊社のことを学んでくれる専任翻訳者がやってくれた方が良いと思っています。仮に翻訳者が複数でも、翻訳会社側の担当者がきっちりと確認してくれれば良いのですが、実際に対応してくださる翻訳会社は過去に見たことがありません。売り込みの時は「対応してくれる」と言うのですけれども(笑)。ただ、そうなると納期の問題も出てくるので、発注時に同じ翻訳者で対応することを優先させるのか、納期を優先させるのかなど、いろいろと条件を聞いて柔軟に対応してくれるところは信用がおけます。担当者側でも、お客様の指摘事項のレビューをきちんと実現しているのは、他社にない素晴らしい付加価値だと感じています。

伊藤:今後、エクイニクスにおける翻訳ニーズは増えるものなのでしょうか?

荒井様:これからまだまだ出てくると思います。本社側では、翻訳はすべてAIで進める方針を出していますが、正直、日本語でのAI利用は当面難しいと思っています。日本語は同じ単語でも利用方法によって翻訳が変わりますし、ITやネットワーク用語、製品名などは、カタカナや英語表記、略語の方が伝わりやすいケースもあります。また、特定の内容については、どこで翻訳しても表現を変えたくないといった要望もあります。それらを現状のAIではカバーできません。

小川:お客様からはどのような反応がありますか?

荒井様:当社では、お客様の満足度を測るために、ネットプロモータースコア(NPS)※2という評価基準を設けています。現在、このスコアを上げることを目標としていますが、そのためには、お客様からいただくご意見に対応する必要があります。その多くは、翻訳品質に関するものです。そこで、プロジェクトチームを立ち上げ、この問題に取り組み始めています。

*2:お客様ロイヤルティを数値化するための指標。「製品やサービスをどの程度親しい人に薦めたいと思うか」を点数化して評価する。

早期からサステナビリティに取り組む

大里:御社はサステナビリティにも積極的に取り組んでいらっしゃるとお聞きしました。これについてお聞かせ願えますか?

荒井様:エクイニクスはサステナビリティに非常に力を入れています。例えば、日本のデータセンターでは、国内外の再生可能エネルギー証書を購入することで、100%再生可能エネルギーで賄われています。また、グローバルで約49億米ドル相当の投資適格グリーンボンドを発行し、その資金をサステナビリティへの取り組みに投資しています。ヨーロッパでは、ヘルシンキにある当社のHE3 IBXデータセンターが回収した熱を地域ネットワークに輸出し、近隣住民約1万2千人に低炭素の熱源を供給しています。 水に関しては、飲用に適さない水のリサイクルや雨水の利用など、全体的な使用量の削減にグローバルで取り組んでいます。
ハード面では、ワシントンD.C.にコ・イノベーション施設を設置し、他社と共同で、従来の空冷より効率の良い液浸冷却技術などの研究を行っています。 このほかにも、燃料電池やソフトウエアなど、低炭素社会の実現に向けたさまざまな取り組みが行われており、効率向上とエネルギー使用量の削減に貢献しています。

大里:社員によるボランティア活動にも力をいれているとお聞きしています。

荒井様:10月には、「Equinix Impact」と称して、日本では延べ220名ほどがボランティアに参加しました。従業員数が600人程度なので、3人に1人が参加している計算になります。日本のデータセンターでここまで包括的に進めている企業は稀だと思います。

大里:素晴らしいですね。

荒井様:多様性という意味でいうと、社員の過去の職種もとても幅広いんです。データセンターの仕事はマニュアルがしっかり整備されているので、いろいろな職種からやってきた人たちが就業可能です。元タクシーの運転手さんだとか、つい先日まで塾の講師をやっていた人たちが普通に入社してきます。

伊藤:未経験者にも門戸が開かれているのですね。

荒井様:さらに部署異動の敷居が低い会社なので、データセンターで何年か働いた人がSEになりたいとか、カスタマーサクセスマネージャーになりたい、営業になりたいと言って転身していくケースも多くあります。ただし一方で、従業員には幅広い知識が要求されます。昔はデータセンター事業だけでしたので、機器の設置や接続方法に関する知識があれば仕事ができました。ここ最近は、デジタルインフラのサービスが大幅に増えたため、データセンターの知識だけではもうやっていけません。ネットワークの知識も必要ですし、コンピューターやサーバーに関する幅広い知識も必要とされています。

大里:IT業界は、特に技術の革新が目まぐるしく、チャレンジングですね。

荒井様:今のマーケティングに関しても、すべてを知っていないと効果的なメッセージが出せない状況です。勉強することは多く、大変です。一方で、異動できる機会は誰にでもあるので、自分のキャリアを常に更新できる可能性もある会社です。日本市場はエクイニクスにとってまだ潜在需要が大きく、一緒に楽しく仕事をできる仲間を探しています。

大里:本日は貴重なお話をありがとうございました。

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