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有料多チャンネル放送事業の「スカパー!」で知られるスカパーJSAT株式会社。一方でB to B事業として利益率の高いグローバルな衛星通信事業を展開していることは、意外と世間に知られていません。そのスカパーJSATが、5年に一度の中期経営計画策定のタイミングに、アークコミュニケーションズと組んで英日のアニュアルレポートを刷新しました。
アークコミュニケーションズは、この重要な時期にアニュアルレポート全体の企画から最終的な印刷物・PDFの制作までお請けし、結果としてスカパーJSATのご期待にお応えすることができました。今回、同社広報・IR部の主要メンバーからお話を伺い、どうやって日本語版レポートをゼロから立ち上げ、さらに高品質な翻訳やデザインを実現していったか明らかにします。
左より渡邉、佐藤、大里、渡邊様、岩瀬様、春本様
大里:スカパーJSATというと、CS放送のスカパー!として一般の方は認知されていると思うのですが、B to B分野のJSAT事業については、ご存じのない方が多いと思います。まずは簡単に御社の事業についてご紹介いただけますか。
岩瀬様:スカパーJSAT株式会社は、2007年に有料多チャンネル放送事業を行っていた株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズと、衛星通信事業を行っていたJSAT株式会社が合併し経営統合してできた会社です。このため、現在のスカパーJSATには、有料多チャンネル放送事業と衛星通信事業という2本柱の事業が存在しています。
スカパー!はB to Cということもあって名前が一般によく知られており、衛星を使った有料多チャンネル放送事業でおよそ340万人くらいの契約者数です。一方の衛星通信事業は、日本だけでなく、アジア、太平洋地域を中心に事業展開しており、スカパー!の放送はもちろん、法人や官公庁などに幅広くご利用いただいています。
大里:スカパー!しかご存じのないユーザーにとっては、グローバルに幅広く事業展開されていることは驚きかもしれません。ぜひ皆様にご紹介いただけますか。
岩瀬様:そうですね。実は有料多チャンネル放送事業も衛星通信事業もグローバルに展開しています。まず、有料多チャンネル放送事業では、2014年から『WAKUWAKU JAPAN』という、海外に日本のコンテンツを発信するビジネスを始めました。今はインドネシアやシンガポール、台湾などに展開しており、690万世帯(2016年11月末現在)が視聴可能となっています。日本のコンテンツはすべて現地の言葉で放送しています。
次に衛星通信事業については、以前から海外に向けてビジネス展開しています。現在17機の衛星フリートを保有しており、北米上空からインド洋上空までを網羅しています。日本で唯一の事業者であり、アジア最大、世界第5位の衛星通信事業者です。アジア太平洋地域では、例えばインドネシアの携帯電話会社やロシアの資源開発会社などに通信回線を提供しています。また、世界最大の衛星通信事業者であるインテルサットとの共同衛星事業のホライゾン衛星事業は北米地域を中心に事業を展開しています。
大里:スケールの大きなお話ですね。今回、アークコミュニケーションズはアニュアルレポートを担当させていただいたわけですが、事業展開のグローバル化の中で、IR戦略をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。
岩瀬様:現在、スカパーJSATの海外の株主様は、20%程度いらっしゃいます。海外の投資家様に対する情報発信はきわめて重要と考えています。中でも、年1回作っているアニュアルレポートはわれわれにとって一番重要なツールとなっています。
佐藤:最初にオリエンテーションを聞いたとき、英語版を印刷物で発行し、日本語版はPDFで対応するというお話だったので一般の企業とは仕様が逆だなと思ったのですが、それだけグローバルの情報提供を重視されているからなんですね。
大里:今回、ベンダー選定はコンペ形式で行われました。その際の課題意識やご希望などをお伺いしたいと思います。
岩瀬様:コンペをした背景には、今年度スカパーJSATが5年間の中期経営計画を発表する非常に重要な年だったので、アニュアルレポートを根本から見直すために、いろいろなご提案をいただけるパートナーと制作を進めたいという希望がありました。アークコミュニケーションズさんからは非常に充実した内容のご提案をいただいため、お願いすることになりました。われわれの過去のアニュアルレポートを詳細に分析されていたり、「こうした方がより良くなるんじゃないか」というご提案も様々あったりして、担当者の間でもとても評価が高かったです。
大里:事前にご要望の主旨を把握していましたので、私たちらしいアイデアをご提供するのはもちろん、専門家の立場から品質を高めるために、IR支援や個人投資家向け企業情報ポータルサイトを企画・運営しているオプティアさんにご協力をいただくことにしました。いろいろな選択肢をご提示差し上げた方がプロジェクトとしてうまくいくのかなと思ったからなのですが、結果的にこの選択は間違っていなかったと、現在は胸をなでおろしています(笑)。
岩瀬様:オプティアさんのお仕事はさすが専門家は違うなと感心させられることが多かったです。わからないところや不明点を伺うたびに的確にご助言いただき、私たちも勉強になりました。非常に良いお仕事をしていただき、満足しています。
岩瀬様:専門家は違うな、という観点でもうひとつ。実は今回、ご一緒にお仕事をさせていただいて感じたのは、英訳の素晴らしさです。翻訳という作業は、さほどの違いはないだろうと大きな期待をしていなかったのですが、いい意味で期待を裏切られました。お仕事も丁寧にやっていただけたし、われわれの言葉遣いも考えたうえで訳を作ってくれたので、非常にありがたい――というか"サプライズ"だった部分です。
渡邊様:お願いした翻訳ができあがってくると、言葉の統一性などはもちろんなのですが、ビジネス向けの言葉や投資家様のレベルやクオリティに合った英語の選び方のセンスに気づかされることが多かったです。
大里:ありがとうございます。お褒めいただいたことは私たちが翻訳事業を展開する上で、非常に重視していることなので、とてもうれしいです。
アニュアルレポートの翻訳には2つの要素があります。1つはアカウンティングとして正しく翻訳すること。もう1つは、その会社における "戦略"を伝える部分です。ここは正しいだけでなく、メッセージとしてより魅力的に伝わるよう翻訳する必要があります。同じ翻訳でも、この2つの要素を使い分けながら翻訳することが重要だと思っています。
大里:デザインに関しては、今回、4パターンの候補をご提案さし上げ、その中から選んでいただいたのですが、御社内ではどのようなご意見が出たのでしょうか?
岩瀬様:「今までと比べると、だいぶポップな感じになりましたね」という意見が多かったですね。
佐藤:御社のビジネスはそもそも誰の目にもわかりやすいB to Cビジネスと、その対極にあるB to Bビジネスを展開されています。その両極を、しかも大規模で展開されていることのおもしろさや不思議さ、そのいずれもが、人々の未来や夢を支え、かなえる事業なのだという思いをコンセプトにして、どんな表現ができるかを考えてデザインしてみました。結果としてA案を採用していただいたのですが、実はこれは従来のデザインからもっとも遠く、「一番おすすめだけどきっと採用されないよね」、とデザイナーの小川と話しながら制作した案でした(笑)。
岩瀬様:今回は中期計画の発表があり、アニュアルレポートも大きく刷新したかったので、そういう意味からも新しいご提案が社内で受け入れられたのではないかと思います。
春本様:部内での賛同の声も多かったですし、経営層の了承を取っていく中で社内でもこの案を見せたらすぐOKを取れた感じです。「明るくていいデザインだ」という意見が多かったですね。
佐藤:ありがとうございます。それを聞いて大変安心しました(笑)。
大里:コンテンツの方は、一般消費者には知名度の高い有料多チャンネル放送事業と、認知度はそんなに高くないけれどグローバルに展開していて、利益率も高い衛星通信事業を、どういう按配でバランスよく見せるかというのには悩みましたね。一冊の本として統一感が出るように、もれなく、重複することなく書くことに注力しました。
渡邉:中期計画については、御社が一貫性をもって過去から現在、そして未来につなげていくことを強く主張するために、過去、現在を踏まえて計画や未来のことを語るのがいいのではないかとご提案しました。
岩瀬様:この提案は私たちの発想になかったことでした。ステークホルダーの皆様から求められる要素だと感じましたので、積極的に採用させていただきました。
渡邉:プロジェクトマネージャーを担当させていただいて一番やりやすかったのは、窓口を春本様に一本化していただいたことと、春本様にご尽力いただいたことです。それがプロジェクトをスムーズに進められた一番の理由だと思っています。
佐藤:最後の1カ月はリスクが発生しないよう、朝一番のミーティングで前日の状況と今日の進捗、リスクが発生した場合の対応などを毎日確認しながら進めましたが、実際はそれをする必要がない状況でした。それは、担当者間のコミュニケーションがスムーズだったからだと本当に感謝しています。
大里:今回は、アニュアルレポート以外の翻訳のお仕事もいただきました。プレスリリースの翻訳に関してはいかがでしたでしょうか?
渡邊様:リリースでは、"正確であること"と"分かりやすく伝えること"が大切だと考えています。また、ワンパターンの表現で翻訳していくと分かりづらいことがあるので、幅広い言葉の中から選択して文章を組み立てるようにしています。その点において御社は、言葉の選択が洗練されているのが素晴らしいと思いました。また、特に新規事業では、われわれも海外でどのような言葉が使われているのか勉強しながらやっているのですが、原稿をプロのネイティブにチェックしていただけたので、大きな安心につながりました。
大里:実はネイティブチェックと言うよりネイティブが直接翻訳しているんですね。
渡邊様:そこがすごいと思いました。日本語版のプレスリリースでは専門用語を多く使いがちなのですが、そんな分かりづらい日本語を、ネイティブの方が英語に完全に置き換えているのがすごいって、最初に拝見した時に驚きました。
大里:そこに私たちの翻訳コーディネーターの力の見せ所があると思っています。帰ったら本人たちに伝えておきます(笑)。
大里:制作を終えたばかりの印象ですが、そろそろ次年度の制作を考えだすべき時期が近づいていますね。
岩瀬様:アニュアルレポートに関して言うと、御社からご提案いただいた"統合報告書"も念頭に置いていきたいと思っています。今回のアニュアルレポートでは、ガバナンスのことや、社会貢献、サステナビリティなどについて前回より充実させたと感じているので、それをどう発展させるかが次の課題になりそうです。
大里:PRの分野では、何か今後に向けて考えていらっしゃることはあるのでしょうか?
渡邊様:宇宙・衛星事業は、せっかく世界第5位の会社なのに、この事業について国内であまり知られていないのは残念です。また、新規事業についても積極的にプレスリリースを出す予定ですので、スカパー!だけではないということを知ってもらえるようにしたいと思っています。さらに英語で情報発信するときは、どの事業部門の内容でもやっている人たちが胸を張れるようなレベルの英語で発信したいと考えています。その点でも、アークさんの協力もいただければと思っています。
大里:ありがとうございます。今後も課題や悩みなどをご共有いただけますと、私たちからもいろいろなかたちでご提案できるのではないかと思いますので、ぜひ忌憚のないご意見をいただきたいと思います。今日は長時間のインタビューにご対応いただき、まことにありがとうございました。
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弊社が制作した株式会社スカパーJSATホールディングス様の2016年度3月期アニュアルレポートは
こちらからご覧いただけます。
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