対談記事

2013年12月

まったく新しい会社のまったく新しいブランドを作る - 日産自動車・三菱自動車の合弁会社 株式会社NMKV

日産自動車と三菱自動車は、日本の自動車業界ではじめて、共同出資の合弁会社、株式会社NMKVを設立しました。軽自動車の企画・開発に特化した会社として設立された同社ですが、第一弾となった「デイズ(日産自動車)」「eKワゴン(三菱自動車)」の成功で、その枠にとどまらない活躍が期待されています。 この新しい会社の誕生にあたって弊社はWebサイト構築のパートナーに選ばれ、無事サイトを公開しました。
今回は、この興味深い試みの中で、経営企画の立場でビジネスを推進し、また、Webサイト構築のキーマンとしても活躍されたお二人、経営企画グループ中澤範行様(三菱自動車出身)と髙濵圭裕様(日産自動車出身)に、ビジネスのこと、Webサイト構築のことをお伺いしました。

プロフィール
中澤 範行様 株式会社NMKV 経営企画グループ ゼネラルマネージャー
髙濵 圭裕様 株式会社NMKV 経営企画グループ マネージャー
大里 真理子 株式会社アークコミュニケーションズ代表取締役
佐藤 佳弘 株式会社アークコミュニケーションズWeb事業部長

第一弾車種の成功について

大里:NMKVの第一弾となった「日産自動車・デイズ」「三菱自動車・eKワゴン」の大ヒットおめでとうございます。まずは、お二人に今回の大ヒットをどう受け止めたかお教えください。

中澤様:日産と三菱がはじめてひとつになってモノづくりに取り組もうというプロジェクトでしたから様々な苦労はありましたが、まずは、期待された結果を出せたと思います。両親会社からは「合弁会社の成功」や「NMKVの発展・強化」などという表現がオフィシャルなコメントとしてでていましたし、ほっと一息といったところです。

髙濵様:日産自動車では国内営業を担当していて、打ち手としての軽自動車には非常に注目していました。ですから、営業的な感覚で日産と三菱が組んだら絶対売れると思いましたし、実車をみたときにはさらに、それを確信しました。結果は予想通りで安心したのですが、このポテンシャルならもっと上を狙えるはず、次は超のつく大ヒットを目指したい、という思いがいっそう強くなりました。

日産・三菱・NMKV 3社で高い付加価値を作る仕組み作り

大里:クルマのスタートは順調でしたが、会社としてのNMKVは、同じ業界であってもこれまでつながりのない会社同士の合弁会社です。いろいろとご苦労もあったことと思いますがいかがでしょうか。

中澤様:NMKVで仕事ができることについて、個人的に、三菱以外を知ることができますし、三菱を外から見ることができるユニークな機会が得られると大変期待していて、結果、まさにそういう場所だったと思っています。日産・三菱にとってはWin-Winの関係を築くことが大前提で、この関係を充足させることを前提に常に物事を判断していく難しさがありました。一方で、両親会社単独では成し得ない付加価値の高い成果を期待され、プレッシャーはありますが緊張感のあるやりがいを日々感じています。NMKVは白紙の状態ですから、そこからふたつの大きな意思決定プロセスを持つ関係を調整し、成果を生む仕組みを作るのは非常に難しい仕事でしたね。

大里:それをどのように動かされたのでしょうか。

中澤様:まず、内外にNMKV設立の狙いとして、「従来の枠にとらわれないこと」「1+1を2以上にすること」「スピーディな意思決定すること」の主に3つを発表しました。そしてそれに基づいて何をするかを徹底的に考え、実践することにしました。会議体を作り、そこで自分たちなりの考え方や立ち位置、意思決定をしっかり行いました。何しろ巨大な企業が2つ控えている環境ですので、私たちなりの視点がないと、それぞれの意思の間で行ったり来たりするしかなくなります。こうした取り組みの結果、NMKVとして明確な指針を持った判断が下せるようになり、スムーズに物事が進行しはじめ、同時に高い付加価値を与えることができたと思っています。Webサイトに、左右にある大きな2つの歯車の間にある小さな歯車の図が掲載されていますが、まさにこの小さな歯車こそNMKVとしての役割の象徴です。おそらく2社だけのプロジェクトではできないことですし、NMKVとして役割を発揮できたのではないかと思っています。