

大学卒業後、商社に総合職として入社。その後、退職して通訳・翻訳の専門学校に入学。卒業後は翻訳会社の翻訳コーディネーター職に就職。その後、スキルアップなどを目的に数回転職。その間、翻訳やチェックにも携わる。2016年1月からアークコミュニケーションズの翻訳コーディネーター(PM)として働いている。
柔軟なコミュニケーション能力が求められる翻訳コーディネーター
翻訳コーディネーターの仕事をするようになった経緯を教えてください。
高校1年でアメリカに留学したのですが、その時のホストファミリーには赤ちゃんから高校生まで計11人の子供がいました。異文化の人とコミュニケーションがとれることと、世代に関わらず日本のことを伝えて興味を持ってくれることに感動しました。もっと他の文化を知りたい、もっと日本を海外に伝えたい、そう思ったのが翻訳、通訳に興味を持ったきっかけです。
1社目を退職した後に、改めて英語を学ぼうと思いました。しかし、1度社会人を経験しているので、また「英語」を勉強するよりも、専門的なものを学びたいと思いました。そこで、興味を持っていた翻訳・通訳について学ぼうと思い、専門学校に通いました。翻訳者になりたいと思ったのですが、未経験のために翻訳者になる道が見つからず、まずは翻訳業界を知りたいと思い、翻訳会社の翻訳コーディネーター職に就きました。
翻訳コーディネーターの仕事の特徴とはなんでしょうか。
主に管理する仕事です。受注後、ご依頼いただいた内容を確認し、お客様の希望納期に合わせてスケジュールを組み立てます。いただいた原稿から、分野や適切な訳調などを判断し、翻訳者とチェッカーをアサインし、必要な情報を共有します。翻訳が出来上がるまでは、スケジュール通りに進んでいるかウォッチしつつ、問合せ等が発生した場合は、適宜対応します。翻訳が完了したら、最終チェックなどを行い、納品物に仕上げて納品します。その他、請求管理や支払い管理、お客様ごとに用意している用語集やTM(翻訳メモリ)の管理も業務の一つです。
「受注して手配して納品」という一連の作業ですが、案件によって対応は千差万別。途中で原稿が変わったり、用語のブレを発見したり、用語の方針が変更になったりと、問題が起きることがたびたびありますが、お客様や翻訳者と相談しつつ納品まで進行管理します。大変なこともありますが、どの翻訳者をアサインするのが適切かといった判断や、細かい点にも気づいて指示を出せるかなど、PMの経験値や特性が出るので、自分の色が出せる深みのある仕事だと思います。お客様や翻訳者とは基本的にメールでのやり取りになりますが、仕事を通してさまざまなバックグラウンドを持つ方々と関係を構築できるのもPM職の楽しみの一つです。
翻訳コーディネーターに求められるスキルや、知識・経験とはどういったものでしょうか。また、フリーランスの通訳・翻訳の実務経験やスキルが活かせる部分はありますか。
コミュニケーション能力やタイムマネージメント能力は必要だと思います。お客様、翻訳者、チェック担当者、ベンダー、場合によっては、DTP担当者、社内など、さまざまな人とやり取りをする仕事なので、柔軟に対応できるコミュニケーション能力が必要だと思います。また、納期に合わせたスケジューリングや、きちんと進んでいるかという進行管理など、タイムマネージメント能力も必要です。複数の案件を同時進行で担当し、案件によって納期もさまざまなので、納品遅れや手配漏れがないように一つひとつしっかりと管理する必要があります。
語学力や翻訳に関する知識や経験、興味も重要な要素だと思います。海外顧客やベンダーとのやり取りで多言語を使うことがありますし、原稿の内容把握もスムーズにできます。今の時代、AIに頼ることもできますが、訳文のちょっとした誤りや違和感は語学力がないと気づけません。また、翻訳に関する知識や経験があると、翻訳者の立場に立って物事を考えられるので、翻訳者に依頼する際の作業指示にも活かせると思います。
アークのPMは裁量の高さが魅力
いまの部署で一番やりがいを感じるのはどんな時ですか。また、魅力はどういったところにあるのでしょうか。
お客様から感謝の言葉をいただいた時は「やっていてよかった」と思います。「また、次回もお願いします」の一言は、さらに頑張ろうと思えます。
上海では「上海語」といって、日本でいう方言レベルを超えた、上海市内でしか通用しない言語が話されています。私たち外国人には「普通話」(公用語の中国語)で話してくれるんですけど、上海人同士は上海語で話すので、久しぶりに周囲の話がわからない状況に逆戻りです。新聞・テレビなどは「普通話」なので、上海語は上達するには至らなかったですね。
当社のPMは割と自由度や裁量が大きい立場にあると思います。基本的なルールや流れなどはもちろんありますが、ちょっとした工夫や考えを随所に反映した仕事ができるので、それが当社のPM職の魅力ではないでしょうか。自分で考え、判断した方法で納期を短縮できたり、お客様の要望により近い納品物を仕上げることができたりします。
また、翻訳者に対しても快適に仕事ができるような工夫を重ねているので、翻訳者から「仕事がしやすかった!」などと言っていただけると、やりがいを感じます。当社の場合、リピートでご依頼いただいたお客様には、顧客担当PMとして継続して対応することがあります。毎回担当することで、お客様に対する知識や経験を蓄積し、次回に活かすことができます。自分が成長し努力することで、お客様により一層喜んでいただき、それを肌で感じることができるのもこの仕事の魅力の一つだと思います。
これから翻訳コーディネーターを目指す人へメッセージとアドバイスをお願いします。
翻訳コーディネーターは、お客様、翻訳者、チェック担当者の間に立って翻訳物を仕上げる架け橋のような存在です。ただ言語の置き換えをするだけではなく、用途や読み手を考えて、お客様にご満足いただける翻訳物を完成させるために尽力する必要があります。自分が前に出るような派手な仕事ではありませんが、多くの人と接する仕事のため、得られる喜びや経験が多く、ヒトとしても成長できる職種だと思います。
翻訳の流れに一通り携わる仕事なので、翻訳業界を知りたい人にとっても良い仕事ではないでしょうか。興味がある人は、ぜひ挑戦してみてください!
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