2008年入社。Web事業部にて、アートディレクション・デザインを担当。
メーカー勤務、デザイン会社を経て現職。アートディレクターとして、後進の指導にもあたっている。
アークのデザインチームを率いるアートディレクター・小川。自他共に認める、一見デザイナー?...な風貌からは想像できない繊細で知的なデザインを生み出して、アークのデザイン力の向上に貢献しています。
グラフィック、Web、VI(Visual Identity)...。幅広い分野のデザインを担当する小川の「デザイン力でお客さまをサポートしたい」という思いは、尽きることがありません。
デザインは企業の付加価値。それを創造して、評価を得られるのがデザインの喜び。
商業デザインへの思い
デザインを始めたときから、一貫してクライアントのためのいわゆる「商業デザイン」を志向しています。自己表現としてのデザインよりも、すでに存在するものやテーマをデザインのチカラでもっとステキに格好よく、より機能的でわかりやすく伝えることに興味があるんです。
そのあたりはデザインの世界に入るきっかけに由来しています。もともと、とある会社で電子回路の設計の仕事をしていて、デザイン的な世界観とは全く無縁の生活を送っていました。設計者としてはとりあえず「日本一小さい...」を開発したり、それなりの評価をもらっていたと思うんですが、なにしろ9to5、刺激的なことに出会うこともない生活でした。今考えると新しい生き方を模索していたのかも知れません。
そんなときに、自社製品のカタログを作ることになって、クライアントとして、生まれて初めて「デザイナー」と接することになりました。カジュアルな服装で颯爽と現れ、みんなの意見を聞き、そこからデザインを生み出す。そんな姿にすっかり魅せられてしまいました。
デザイナーとは、"アーティスト気質で、内なるものの表現手段を求めている人"という固定観念があったので、それとは違う「商業デザイン」という仕事が、私にとっては目から鱗でした。絵を描くことや設計することはなんとなく好きでしたが、わき上がるような芸術への情熱は別になかったですからね(笑) でもこの出会いで、「なんだ、自分がやりたいことってこれか!」という感覚がありました。実のところ、このデザイナーに接していて、「ん?自分の方がいいものができるんじゃない?」...なんていう生意気な思いもあって、勝手に自信を持ってしまったというのもありますけど(笑)
あとはもう何も目に入らず、とにかく会社を辞めて学校に入学し...気づいたらデザイナーになっていました(笑)
人との出会いがデザインを育てる
デザイナーを目指した当初は、すでに23歳で周囲より遅れていることに焦りはありました。自信だけはいっこうに揺るがなかったのですが(笑)、もっと早く目覚めていれば...なんて思うことはしょっちゅうでした。
そんな中で今までやってこられたのは、周囲の方々のおかげ、人との出会いです。こいつはスゴイ!と思う年下の同期に出会ったり、「お前を育てたい」といってデザインのイロハから惜しみなく教えてくれた先輩がいました。かわいがってくださるお客さまも数多くいて、その方たちの出会いで、ものを見ること、デザインすること、人に伝えることなどを知ることができた気がします。デザインワークは孤独な作業ではありますが、デザインを高めたり、育てたりするのは人とのつながりなんだなぁとつくづく感じています。
デザインは好き嫌い。...?
このデザインはスキ、このデザインはキライ、と、難しいコンセプトを語っている間は無口な人も、そこから導き出されるデザインは...となったとたんにいろいろ語り出す。デザインのそんなところが大好きなのですが、仕事の上では、できるだけお客さまの好き嫌いだけで判断されることがないように、気を配っています。
もともとデザイナーになる前に設計の仕事をしていたこともあって、デザインをするときには、「ただかっこいいから」とか「何となく」はなくて、たとえばレイアウトするとき、「なぜそこに配置するか、なぜその大きさなのか」には、「それが一番効果的だったり美しかったりするから」という理由と必然性をもってデザインしたい、と常に考えています。
ですから、お客さまにはこちらの意図とデザインのポイントを理解していただいて、その上で好き嫌いを含めたご意見を伺い、ブラッシュアップしていくよう心がけています。これまで数多くのお客さまに接していますので、お会いする機会や、制作に関するしっかりしたブリーフィングがあれば、その方の志向はわかります。自社スタッフのヒアリング力も重要なわけで...、そこのところはぜひ皆さんお願いしますね(笑)
デザインに理由があるという話は、お客様にもわかりやすいようですし、そこを気に入っていただいてご信頼いただくことも多いので、これからもそれを続けていきたいです。
グラフィックの楽しみ、Webの楽しみ
グラフィックデザインをやっているんだから、Webデザインもできるはず。たいていの方はそう思うようです。それは正解でもあり、間違いでもあると思います。相違点を端的にいうと、グラフィックの場合は、紙の形状も、開き方も、レイアウトも、すべて手に取った人の想像を超えたものであるべきです。一方で、Webデザインは、ユーザビリティの要素が入ってきますので、ベースはユーザーの想定の内側。その上で可能な限りのサプライズを用意することが求められます。
私自身はグラフィックからデザインを始めましたが、Webデザインを数多く手がけることになってから、自分の中できちんとモードを切り替えて取り組むようになりました。両方のデザインができることもアークでの仕事の楽しみです。
アークのロゴは引き算
デザインは足し算、引き算で語られますが、個人的には、経験を積むごとに、表現したいことを最小限の要素で構成し、意図がどこまで効果的に伝わるかという、引き算的なデザインを志向するようになりました。ミニマルデザインですね。
アークのロゴを制作したときがまさにそれでした。少しでも格好よく、ステキに見てもらいたくてデザインをさんざん工夫したのですが、今ひとつしっくりこないんです。
そこで、原点に戻ったのが社長の大里がいつもいっている「正しく、楽しく、新しく」という言葉。これ、何のひねりもない、あたり前の言葉なんですが、とっても王道、かつ、正直な言葉です。この正直さを真正面から表現して、「正直な会社です」とロゴ自身が語りだすことが重要なんじゃないか、という考えに至りました。その結果が、新しいロゴです。
社名が長くてデザインしにくいとか、まあいろいろありましたが(笑)、さんざん足し算をした上でほぼゼロに近いところまで引き算をした結果ですので、個人的にも満足しています。
これからの仕事、これからのアーク
ビジネスの理解力の高さ...入社する前のアークへの印象です。事業部長の佐藤に呼ばれて入社したときに、「それに付加価値をつけるのが小川の仕事だよ」と言われました。
私は、そもそもビジネスの世界におけるデザインとは、企業価値を高めるための道具だったり、付加価値だったりするもの、という考え方でしたので、その気持ちを持ち続けて仕事に取り組んでいます。
が、今は、デザインこそが「アークの価値」といわれることを目指しています。それもそう難しいことじゃない、と思っているんですけど(笑)
私の1本の映画
ロバート・アルトマン監督『ロング・グッドバイ』
("The Long Goodbye" 1973、アメリカ)
「俳優のエリオット・グールドが好きで、なかでも彼がフィリップ・マーロウを演じたこの作品がベストです。そのスタイルは、松田優作の『探偵物語』の元ネタでもあるんですよ。」
社員の1日
アークコミュニケーションズは
一緒に働くメンバーを待っています
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