2023年2月
動画で勉強 ~クロスカントリースキーも字幕翻訳も~
四半世紀ほどクロスカントリースキーを楽しんでいますが、正直なところ、さほど上手になりたいとも上手になれるとも思っていませんでした。
というのも、私はスポーツを「見る」のは得意(?)ですが、「する」のはあまり得意ではなく、特にバランスを要するものは苦手で、ママチャリにすら乗ったことがありません(正確には一度乗ってみたものの子供ごと一緒に倒れ、周囲に悲鳴をあげさせてしまいました)。
クロスカントリースキーにしても、弊社スキーチームに在籍していた日本代表選手に直接教えてもらうチャンスがいくらでもあったのに、全く有効活用していなかったのです。
ところが、最近、個人トレーナーをつけて筋力トレ-ニングを始めたことがきっかけで、急に「今まで何十年も放置していたフォームが改善できるかもしれない」と思うようになったのです。
トレーナーはクロスカントリースキーのことを知らないにもかかわらず、私の雑談を聞いただけで「大里さんは多分、上半身をこう使っているから進まないんじゃないのですか?」と見事に欠点を指摘するのです。
様々なビジネスに必要な共通の知識やスキルがあるように、色々な運動に共通する身体の使い方があるのですね。
かつて「85歳でスキーオリエンテーリングのマスターズに出て世界一になる」と豪語したことがある私ですが、「身体の使い方を習っている今だからこそチャンスでは?」「何事も遅すぎることはないのでは?」と、突如その気持ちに火がついたのです。
まずは理論武装やイメージトレーニングが大事と考え、クロスカントリースキーのYouTubeを100本以上は見たと思います。最初は日本語の動画を見ていたのですが、全体量が少ないこともあり、すぐさまアメリカやカナダで作成された初級者向けのクロスカントリースキーの動画を見だしました。
そして普段ビジネスで使わない英語の語彙と格闘していると、翻訳会社の経営者として興味をひかれることがいくつかありました。
元々日本のスポーツ界には和製英語が多いのですが、クロスカントリースキーにおいても同様で、自分が普段使っているカタカナ用語が動画で使われていないのを発見すると、こんな風に対訳用語集を作ってしまいました(笑)
そしてもうひとつ興味をひいたのが、字幕翻訳についてです。話し言葉をそのまま字幕にしている動画を発見すると、
「文字の量が多すぎる!動作を見せたい動画の字幕こそ、もっと文字量を削らないと、かえってメインのポイントが伝わらなくなるのに...」
などと感じてしまいます。
※業界では、日本語13~14文字×2行の量を7秒で見せる(日本語4文字/秒)と伝わりやすいと言われており、翻訳者はいかに情報を削ぎ落とすかが腕の見せどころ。
世の中の動画コンテンツが増えるに従い、当然のごとく字幕翻訳の需要も増えてきています。字幕翻訳では上記のように、文書の翻訳とはまた違ったノウハウが要求されます。そんな字幕翻訳の勉強をも兼ねているという大義名分をかざしながら、せっせとビデオの視聴に精を出す今日このごろです。
さて、今年もアークコミュニケーションズでは、"Translator of the Year"を翻訳者に贈呈しました。創業以来、その年にご活躍いただいた翻訳者に"Translator of the Year"という賞をお贈りし続けており、今回で17回目となりました。今回受賞した翻訳者の中には字幕翻訳をなさっている方はいらっしゃいませんでしたが、それも近いうちに現れそうですね。
なお肝心の「ビデオをそれだけたくさん見て、果たしてスキーはうまくなったのか?」という問いに関しては、3月に行われる全日本スキーオリエンテーリング選手権大会に出場しますので、そこで答えをだしたいと思います(笑)
いくつになっても、わたし個人も会社も進化し続けるべく努力いたします。
今年もよろしくお願いいたします。
代表取締役 大里真理子
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