社員インタビュー

2021年7月

社員インタビュー 齊藤 まなみ

アークコミュニケーションズ翻訳事業部でローカリゼーション シニアプロジェクトマネージャーを務める齊藤まなみ。入社以来、プロジェクトマネージャー(PM)職を12年間担当し続けています。前回、「社員インタビュー」に登場してもらったのは2015年1月のこと。それから6年経って、ますます翻訳PMという職業に魅力を見出していると言います。この6年間で翻訳PMの業務や意識はどのように変わったのか、翻訳者や同僚からも大きな信頼を得ている彼女自身の口から語ってもらいました。

6年間でより深まったコミュニケーション能力

-前回、社員インタビューに登場してもらったのは6年前でした。当時と比べて、仕事の状況や仕事に対する想いなどは変わりましたでしょうか。今回は、そういった6年間の変化についてお聞きしたいと思います。

6年前に比べて、お客様が困っていることや、やりたいことを翻訳の観点からサポートする能力が伸びたと感じています。また、そうしたことを翻訳者に伝えるためのコミュニケーション能力も増したと思います。翻訳者からすれば、わたしの説明で翻訳の背景や目的をわかってもらえるため、より良い翻訳に仕上げられるのではないでしょうか。

また、どうやったら仕事を効率的に進めることができるか、より短期間で同じ仕事をできるようになるかという引き出しも増えましたね。単純に作業のスピードが上がったということではなく、「ミスなくスピードアップできる」という意味で、です。品質を落とさずに作業をショートカットできるノウハウが身につきました。

-お客様に対する意識や対応に変化はありましたか?

以前から顧客満足度を高めようと努力はしていましたが、今はその意識がさらに高まっているように感じます。この6年間で、短期間のうちに一気に顧客満足度を高めようとするよりは、お客様のご満足を切らさないように、地道にずっと続けることの方が大事ということに気づきました。「プラス1」でもいいから、とにかくプラスの状況にし続けていると、結果的に顧客満足度は高くなるものだと思います。

また、同じお客様でも新しい翻訳案件の場合は、丁寧に「今回はこのように訳しました」と納品物の特徴を伝えるようにしています。そうすると、お客様も翻訳の背景がわかるので、安心感が違いますよね。社内の営業に対しても、「お客様にこういうことを聞いてください」「こういう提案をしてみてください」と積極的に声掛けするようになりました。そのおかげかわかりませんが、営業からも相談されることが増えました。

翻訳者の価値を最大限まで引き出す

-「翻訳者とのコミュニケーション能力が増した」とのことですが、具体的にはどのようなことをしたのでしょうか?

お客様に対するスタンスと同様に、翻訳対象物が何に使われるか、誰がそれを使うのか、どうやって使うのか、ということを翻訳者にも伝えるようにしました。そうすると翻訳者は、翻訳のための調査にかける時間を短くでき、本来の翻訳に集中できるようになります。わたしから仕事を依頼される翻訳者さんには、いつも喜んでいただけているのではないかなと思っています。

-「急ぎ」の案件など、翻訳者に負荷をかけるような場面もあると思いますが、そういう時にはどうしていますか?

急ぎの案件は、一般的に翻訳者は嫌がるものです。ですが、わたしの場合はそうしたお仕事を受けてもらえる確率が高いと思っています。理由は、普段から翻訳者との関係を良好に保っているから。また、急ぎの理由をちゃんと説明して状況を十分に理解してもらうようにもしています。逆に、翻訳者が困った時には、できるだけ手を貸すようにしています。さらに、翻訳者が興味を持つような案件を紹介するなど、翻訳者にとって得がある仕事の進め方に努めています。

-そうした仕事のやり方はどこで学ばれたのでしょうか?

前任のプロジェクトマネージャーから教わりました。基本的に初期の段階から「好きなようにやっていい」という感じで教えてくれたので、性格的に自由な方が好きなわたしにはぴったりだったのかもしれません。「この人にこんなことを教えてみたい」とか「この人にこんなことをやらせてみたい」というように「人をプロデュース」することが好きなので、楽しんで仕事に没頭できました。

アークコミュニケーションズが契約している翻訳者は優秀なのが当たり前なんです。わたしの仕事は、その優秀さに付加価値を加えて翻訳プロジェクトそのものの価値を大幅に高めること。そのために、翻訳者個人の特性を見極めて、最適な仕事の割り振りや環境づくりをする。そのためのコミュニケーションであり、これこそが「人をプロデュース」することだということに気づきました。

翻訳者やPMのチームを作ってより大きな仕事へ

-今、お仕事上でチャレンジされていることはありますか?

大きな翻訳案件で、翻訳者のチームを作る仕組みを作っています。翻訳者はフリーランスでお仕事をされている方が多いので、意外と「コミュニティがない」と嘆いている方がたくさんいます。そんななかで、翻訳者同士がコミュニケーションを取り合えるようになると、それぞれの翻訳者にとってのメリットは大きいと思います。

さらに翻訳者だけではなく、PM同士をチームにすることにもチャレンジしています。まずは、わたしと新入社員でチームを作り、少しずつPMの輪を広げていく努力をしています。メインの目的は、スキル譲渡です。今までは自分がプレイヤーの立場でしたが、今度はプレイヤーを育てる側にシフトしようと努力しています。そうして、自分の成功体験とスキルを次のプレイヤーに伝える。こうすることで、チーム全体のスキルアップを目指します。これは難しいことなんですが、同時に楽しさも感じています。

12年経ってもまだ成長できる仕事

-翻訳PMを目指す人へ何かアドバイスはありますか?

わたしは、プロジェクトマネージャーは専門職だと思っています。1年くらいで身につくものではなくて、仕事ができるようになるには時間がかかります。ただ一方で、入社して12年経っても、わたしのようにまだ成長が見込める仕事とも言えます。そういう意味で、翻訳PMという仕事は本当に面白い仕事だと思います。いまだに飽きることがありません。

また、翻訳の内容やお客様も案件ごとに毎回違います。なので、翻訳PMには柔軟性が求められます。「前回こうだったから今回もこれで良い」というわけにはいきません。調整がずっと必要な仕事なので、仕事に変化を求める人にはとても合う職業だと思います。

最後に一言だけいいですか?
わたしは今、素直で柔軟性のある、「成長したい」と思っている人に、アークコミュニケーションズに入社して翻訳PMの仕事を目指してもらいたいと思っています。わたしと一緒に仕事をしてみませんか?

プロフィール

齊藤 まなみ(さいとう まなみ)
東京都出身。ここ最近、新たに加わった趣味が海釣り。おもに相模湾でアジを釣っている。釣れ過ぎた時に配れる仲間を募集中。

私の1本の映画

『グリーンブック』(2018年、アメリカ)
ジャマイカ系アメリカ人のピアニストとイタリア系アメリカ人の用心棒が一緒に旅をするストーリー。久々にいい映画を見て泣けました。「他人に敬意を払うこと」の大切さを改めて思い知りました。

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