2015年7月
このコーナーでは、プロの翻訳者として活躍中の方々を中心に、ご自身が経験してきた語学の学習方法や工夫、ノウハウ、また現在も語学力を維持するために行っていることなどをご紹介しています。
第7回:語学学習成功は目標設定能力?(SSさん)
第6回:段階に合ったやり方で(umeさん)
第5回:鍵は多面的アプローチ(Y. I.さん)
第4回:私の英語とのつきあい方-時間が味方(YBさん)
第3回:「精読」と「多読」をバランスよく(S.T.さん)
第2回:英語の大海で漂流しないために、自分の羅針盤を持つ(SAKURAさん)
第1回:自分の専門分野でバイリンガルを目指す(Tedさん)
第2回:英語の大海で漂流しないために、自分の羅針盤を持つ
どこを目指すか
「寝る時間も惜しみ、多くの問題を必死で勉強した者が勝者となるのか?否、最後に勝つのは、問題傾向を研究し尽くし、無駄を削って徹底的に重点を修得した者だ。」
これは数年前、ある学習塾の説明会で塾長が熱く語った言葉です。この受験に関する塾長の持論には賛否両論あるでしょうが、私の胸にはストンと落ちました。英語学習における私の実体験と重なる部分があるからです。
英語学習と言っても、現在、あるいは目指す職種によって必要な英語力は千差万別のはず。さらにそれぞれの職種の中でも分野によって細分化されるでしょう。それなのに「英語」を一括りにした学習方法でよいのか、改めて考えさせられました。
浅く広く or 深く狭く
かく言う私も、学校教育を除く英語学習の手始めは英会話スクールでした。大学時代には、なけなしのバイト代を英会話スクールに注ぎ込み、大学卒業後に入社した外資系企業でも、語学学習の費用補助制度を最大限活用して、英会話スクール通いに明け暮れました。もちろんその間に、FENや英語インタビュー番組を録音して通勤中に聞くなど、思い付いたことを片っ端から実践したことは言うまでもありません。しかし、聞く・話す力はさほど伸びず、会社時代に身に付いたのは、むしろ読み書き力でした。社内で日常的に英文メールやレターに触れていたこともありますが、週例ミーティングの英文議事録の作成業務を担当したことが大きな要因だと思っています。特に最初の数カ月間、上司が私の下書きを真っ赤になるまで添削してくれたことが忘れられません。自分の業務に直結する内容ですから吸収も早く、なによりも英語ネイティブの上層部にも回覧されると思うと真剣にならざるを得ませんでした。この業務を任されなければ、またこの上司の熱血指導がなければ、私の読み書き力は会話力と同程度に留まっていたことでしょう。
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【2015年7月】第2回:英語の大海で漂流しないために、自分の羅針盤を持つ(SAKURAさん)