2015年7月
お陰様でアークコミュニケーションズは2015年7月に10周年を迎えました。
皆様に支えられ、ここまで成長することができたことに感謝申し上げます。
そして、これからも皆様と共に成長できることを願いまして、グローバル人材になることを目指し英語学習(語学学習)に取り組むビジネスパーソンに向けた、学習法を共有するコンテンツをスタートしました。
このコーナーでは、プロの翻訳者として活躍中の方々を中心に、ご自身が経験してきた語学の学習方法や工夫、ノウハウ、また現在も語学力を維持するために行っていることなどをご紹介いたします。
第7回:語学学習成功は目標設定能力?(SSさん)
第6回:段階に合ったやり方で(umeさん)
第5回:鍵は多面的アプローチ(Y. I.さん)
第4回:私の英語とのつきあい方-時間が味方(YBさん)
第3回:「精読」と「多読」をバランスよく(S.T.さん)
第2回:英語の大海で漂流しないために、自分の羅針盤を持つ(SAKURAさん)
第1回:自分の専門分野でバイリンガルを目指す(Tedさん)
第1回:自分の専門分野でバイリンガルを目指す
「バイリンガルへの憧れ」からの決別
私は、北海道千歳市という田舎町で生まれ育ちましたが、10歳から英語塾に通わせてもらったおかげで英語を得意科目として学生時代を過ごし、社会人になっても常に英語に関わる仕事をしてきました。現在53歳なので、英語に触れ始めてから43年になるわけですが、これまで一体どのくらいの時間、英語に接してきたのだろうかと思い、ざっくりと足し算してみたところ、軽く60,000時間を超えていました。43年間毎日4時間以上英語に触れてきた計算になります。
マルコム・グラッドウェル氏の著書「天才!成功する人々の法則」によれば、ある分野で突出した能力を発揮できるようになるために必要な練習量の目安は「10,000時間」だそうです。これが真実であれは、今の私は「英語の達人」で完全に「バイリンガル」になっていないといけないはずですが・・・、現実は全く異なります。映画やテレビドラマを字幕なしで観て100パーセント分かるかといえば分からないし、日本語と同じレベルで英語がスラスラと出てくるわけではありません。
しばらくの間は、自分の勉強方法にどんな問題があるのだろう。どうすれば、「バイリンガル」レベルになれるのだろう、と模索する日々を過ごしましたが、あるとき気がついたのです。それは「バイリンガル」をどう定義するかによって、一種の割り切りがつけられるということに。「バイリンガルへの憧れ」からの決別です。
「バイリンガル」を「英語の大和言葉と日本語の大和言葉が完全に同じレベルで使えること」と定義した場合、「バイリンガル」になるには、私の感覚では、遅くとも高校時代以降を英語が母国語である国で過ごし、家庭では親兄弟と日本語で話すような環境にいることが最低条件ではないかと思います。そして、人生を高校生からやり直すことができない以上、このような「バイリンガル」になることはもはや不可能です。これが私の言う「割り切り」です。
ビジネスパーソンにとって必要な「バイリンガル」とは
それでは、私を含めた大多数の日本人ビジネスパーソンにとって目指すべき「バイリンガル」とは何かといえば、それは、「自分の専門分野(得意分野)だけバイリンガル」になることです。
私は会計を中心とした財務が専門ですので、財務に関しては専門用語を日本語と英語で完全に対応させることができます。ネイティブなら小学生でもスラスラ読める「ハリーポッター」シリーズを英語で読もうすると辞書がないと困りますが、会計や財務に関する文書を英語で読むのに辞書がないと困るということはありません。ビジネスパーソンが身につけるべき英語力というのはそういうものであるべきだと思います。ハリーポッターが読めなくても気にしなくていいのです。
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