2015年7月
第1回:自分の専門分野でバイリンガルを目指す
「専門分野だけバイリンガル」になるための学習方法
さてそれではどのようにすれば「自分の専門分野だけバイリンガル」になれるか、ですが私の経験上有効だった勉強方法をご紹介します。ポイントは「精読」すべき英語と「多読」すべき英語を区別して考えることです。
まず「精読」すべき英語には、「自分にとって(日本語環境ならば)完全に理解している内容」が書かれている英文(できれば原書1冊)を選んでください。そして書かれている英語(特に専門用語)が日本語で何と言うのかを意識しながら読み進めるのです。つまり「精読」においては、英語を英語のまま理解しようとするのではなく、日本語に翻訳するかのように読むということです。といっても全文を翻訳するのは大変でしょうから、単語レベルで対応する日本語の専門用語を書き出してみればよいでしょう。
このような作業続けるうちに、自分の脳内に、専門用語に関する日本語と英語のリンクができあがります。私の専門の財務で精読にふさわしい本を一冊だけ紹介するとすれば、Financial Intelligence, A Manager's Guide to Knowing What the Numbers Really Mean (2nd Edition, Karen Barman & Joe Knights, Harvard Business Review Press)が挙げられます。この本はアメリカでビジネスエグゼクティブの必読書とされている会計の入門書で、日本の簿記3級程度の知識があれば簡単に読み進められるはずです。間違ってもTIMEのような高級な英語で書かれている雑誌を買ってきて、最初から最後まで読破しようなどという「無謀な試み」をしないように。
次に「多読」ですが、ここで選ぶ英語は、「自分にとって興味・関心のある内容でかつ日本語では入手できない情報が得られるもの」にします。このような英語はネットで簡単にかつ無料で入手できる時代になりました。たとえば自分の専門分野に関するポータルサイトであったり、欧米の専門家によるブログ記事などがこのような英語の例です。また「多読」をする場合は、英語を英語のまま理解するスキルも意識して磨きましょう。
このような精読と多読を意識して繰り返すうちに、「自分の専門分野(得意分野)だけバイリンガル」になる道が開けるはずです。
自ら英語を勉強し始めたきっかけは?
北海道の田舎とはいえ、当時の千歳市には米軍基地があり、幼なじみには「米軍将校さん」の子供がいたので幼少期から英語に触れる機会はあったように思います。英語を本格的に勉強したくなったきっかけは、中2のときに聞いたカーペンターズの"Yesterday Once More"や"Only Yesterday"を初めて意識して聞いて、どうしても歌詞の意味が知りたくなったこと。
プロフィール
- 名前:Ted
- 職種:金融翻訳者、会計・財務分野おける教材開発・研修講師
- 出身:北海道千歳市
- 趣味:読書(年間300冊は読みます。)
- 海外経験:シドニー(2年)、ダラス(半年)、香港(7年)
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