対談記事

社外取締役に聞く!アークコミュニケーションズの10年と未来

アークを成長させるために、社外取締役として何をサポートするか。

大里:最後に、将来に向けての課題をご指摘いただけますか。

間瀬:大里さんは、根っからの現場好きで「お客様のプロジェクトを成功させるのが一番楽しい!」というタイプですけど、最近は、取締役会でも「会社体制の整備」「権限の委譲」「見える化」などがテーマに挙がるようになりました。ベンチャーから、次のステージが見えてきた印象です。大里さん自らが細部まで監督しなくても、オペレーションできる組織を作ることが当面の課題だと思います。

新堀:それが、今のアークの優先事項ですよね。ただ、逆説のようだけど、経営にはアナログ感も重要だと感じています。トップの本気度、人の温もりなど、アナログ的な気持ちが伝わる会社が生き残ると思います。大里さんのカラーを大事にしながら、次のビジネスに種をまいて育てるのが一番でしょう。

大里:今まではどちらかと言うと、「よそ見をしないように」という注意のほうが多かったのですが、やっと、取締役から新しいことに手をつけることの許可をいただきました(笑)

松崎:社風が若いので、今後の10年はさらに多くの可能性が広がっていると感じます。そして、可能性がある分、大里さん自身の明確なビジョンも重要になりますね。従来の延長線上の成長を狙うのか、それとも地続きではないところから、新しい成長を求める必要があるのか。

間瀬:どちらの戦略を選ぼうとも、過去の資産やノウハウにとらわれすぎないことも必要になりますよね。

新堀:スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が、計画的偶発性理論というキャリア論を発表しています。若い頃から自分が志したことで成功する人は少なくて、80%の人は偶発的に出会った仕事で成功するというのです。つまり、今目の前にあることに一生懸命取り組みながらも、次に来たより良いボートにいつでも乗れる準備をしておくべきだ、ということです。いいボートを逃さずに乗れるようアドバイスするのも、私たちの役割だと感じています。

大里:はい。私が適切なタイミングで、より良いボートに乗れるように背中を押して下さい。今まで私は、お客様との具体的なプロジェクトの中から新しいサービスを生み出してきました。ところが、スタッフに現場を任せると、どうしてもお客様と実務の中で触れ合う機会は減ってしまいます。今までどおりにどんどん発想を生み出すために、活動の場をこれまでとは違う分野にも広げていきたいです。

松崎:現場以外からでもインスピレーションを得る方法はあると思います。既存ビジネスをスタッフに任せて作った時間をどう使うか、とても重要ですね。

新堀:「新鮮な風を吹き込む」という意味では、企業の変革を促すのも、社外取締役の役目のひとつだと思います。私はみなさんとかなり違ったカルチャーの企業で仕事をしてきた経験もあるので、今後新しいカルチャー作りにも携わりたいと思っています。

間瀬:社外取締役に期待される役割も、新しいフェーズに入ってきた感がありますね。社員ではない、ということで「新鮮な風を吹き込む」付加価値を出すフェーズから、市場やアークの実情を知った上で、今必要な新しい風を吹き込むことが求められるフェーズにシフトして行くでしょう。私たち社外取締役にとっても今後チャレンジングでワクワクします。

大里:アークの可能性は年々広がっており、私もとてもワクワクしています。アークがこれからも成長し続けるように引き続きお力を貸して下さい。社外取締役の皆さまが今まで通り、お客さまの立場にたって客観的に、でも愛をもってアークを見守って下さると、私たちも独りよがりではなく、お客様の満足を高めるサービスにつなげていくことが出来ると思います。そして、気の多い私がよそ見をしすぎないように、そして「成長」に対して怠けないように、これからもしっかりと監視してください(笑)。ありがとうございました。