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グローバルコミュニケーション:断られてからがひと踏ん張り
お願いごとをして相手に断られたら・・・多くの人はしゅんとなって、もう一度お願いすることはなかなかできないでしょう。しかし、あなたが思うほど、相手はもういちどあなたがお願いすることに否定的ではないという調査結果があることをご存知でしょうか?
私たちアークコミュニケーションズはDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューに掲載される論文の70%ほどを訳しています。今回ご紹介する記事(2014年 5月号)は残念ながら私たちが訳したものではなく、編集部の方が訳されたものなのですが、なかなか興味深い内容ですので、皆さまに是非シェアいたしたく。
スタンフォード大学の博士号取得候補者のダニエル・A・ニューアーク氏らは、19人の大学生にキャンパス内でそれぞれ知らない相手15人に対し、二つの頼みごとをさせています。最初の依頼は「簡単な調査票に記入していただけませんか?」次の依頼は「郵便局で手紙を投かんしていただけませんか」
頼みごとをする学生たちは、調査票記入を拒否した人のうち第二の頼み事を承諾するのは、せいぜい18%だろうと考えていたそうです。しかし、実際には43%が手紙の投函を引き受けたそうです。そして、数百人規模で実施した他の調査でも同様の結果が出ているそうです。
相手が頼みごとを聞いてくれない場合、依頼者は相手がそういう性質(不親切等)と思いがちです。一方、依頼された側は、断ったことで罪悪感を感じ、そして次には役に立とうという気持ちをもちます。しかし、断られた側ではすでに諦めているので、断った相手にまた頼むことほとんどなく、チャンスを逃しているとニューアーク氏は考えています。
グローバルなコミュニケーションは言葉だけではなく、文化の壁も大きいのは皆さまもご存知の通り。以心伝心が伝統的な文化だった日本人は、相手にNOと言われると、次のアクションを躊躇しがちです。しかし、この調査結果を見たら、NOと言われた相手にこそチャンスがあると思って、次のお願いをしようと思いませんか?(笑)米国人ですらいったん断られると躊躇するのだと知ったら、心も軽くなりませんか?
最近断っても断ってもめげずに大里がお願いごとをしてくるなぁと感じた方がいらっしゃったら(笑)、それはこの記事に感化されているのだと、お目こぼしください。
今年も暑い夏がやってまいりました。皆さま、ご自愛くださいませ。
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バックナンバー
- グローバルコミュニケーション:断られてからがひと踏ん張り(2014年夏号)
- キリル文字と格闘:ロシア語を覚えてソチに行こう![英語版](2013年冬号)
- Whatを教えるTraining、Whyを教えるEducation[英語版](2013年夏号)
- 「グローバル」横綱番付発表![英語版](2012年冬号)
- 新しい仲間と切磋琢磨[英語版](2012年夏号)
- 今年の10大ニュース表・裏バージョン[英語版](2011年冬号)
- Communicate Locally, Market Globally[英語版](2011年夏号)
- カザフスタンってどんな国?[英語版](2011年春号)
- 号外発行に向けて(2010年冬号号外)
- [代表挨拶・英語版](2010年冬号)